糖質制限=ケトジェニックダイエットと思っている方が多いと思います。
実は、すごく似ているけど全然違います。
糖質制限と似ている点は、現代の食卓が炭水化物中心で毎食糖質を食べているところを、糖質制限するところです。
ケトンジェニックダイエットは、その糖質を制限したことで脂肪を燃やす身体に変えるように進めます。
ケトンジェニックダイエットは、別名「ケトン体ダイエット」と呼ばれ、高タンパク低糖質の注目のダイエットです。
脂肪を多く摂り、プロテイン(タンパク質)を摂取しながら、糖質制限によって体重を落とします。ダイエットの目的は、身体をケトーシス状態へもっていくことになります。
他のダイエットと違い脂肪を摂取し、それを肝臓が消化し、ケトン体と呼ばれる酸を生み出します。そのケトン体が血中に送り込まれ、エネルギー源となります。
つまり、脂肪を蓄えた自分の身体そのものが、日々の燃料となるイメージですね。
ケトジェニックダイエットは「食べながら痩せられる」ということで人気があります。
ここでは、ケトジェニックダイエットの方法などの詳細や、効果や注意点に注目していきます。
目次
ケトジェニックダイエットとは?
人間の身体は『ケトジェニック』と『グルコジェニック』の二つのエネルギー源があります。ハイブリッド構造ということですね。
この二つの特徴を解説します。
炭水化物よりもタンパク質と脂肪を多めにとることで、身体は「ケトシス」と呼ばれる代謝状態になります。
この代謝状態になった時に、私たちの体内で脂肪をエネルギーとして燃やす働きが活発になり、効率的に脂肪を燃焼することができるようになります。
脂肪分が肝臓で「ケトン体」という物質に変わるのですが、脳や体は糖質の代わりにこのケトン体をエネルギー源として利用するようになり、体脂肪が燃焼されるのです。
糖質制限ダイエットが流行りましたが、ケトジェニックダイエットは炭水化物を抜けば良いというものではなく、若干違うところがあります。
食生活でお馴染みのご飯や麺・パンなどは「炭水化物」で、分解したものが「糖質」と呼ばれています。
「米食べないと力が出ない」という方は、グルコジェニック状態で「糖質」が足りてないということになります。
甘い物を食べていなくても炭水化物として摂取しているので、現代人は「糖質の摂りすぎ」と言われています。
糖尿病や肥満などの生活習慣病は増加傾向にあり、食生活の見直しをいわれていますが、ハンバーガーやラーメン、おにぎりにサンドイッチ、美味しいものがたくさん該当してしまうところが辛いところです。
健康的に痩せられる食事法
ダイエットで痩せる食事というと、食事量を極端に減らしたり、ご飯を全く食べないなど炭水化物をカットすることが多いです。
確かに食事量を減らせば一時的に体重が減少しますが、減らしすぎて本来身体に必要な栄養素もエネルギーまで不足して、痩せたというより枯れてやつれた印象になってしまいます。
実際の生活的にも、疲れやすくなり心身ともに健康とは程遠くなってしまいますね。
ケトジェニックダイエットはKetogenic dietと綴り、Keto、ケトン体ダイエットとも呼ばれています。方法的には、置き換えダイエットの部類に近いでしょう。
厳密には、摂取する栄養バランスが決められており、健康を害することなく痩せられるということで評判が高いダイエットです。
糖質制限との違い
ケトジェニックダイエットを「糖質制限ダイエット」の別名と思われていたりしますが、実際は似ているだけで違うものです。
糖質制限ダイエットは、炭水化物などの糖質を制限するために主食のご飯などをカットします。
一方、ケトジェニックダイエットは「糖質制限+タンパク質と脂肪分摂取」という制限と摂取方法になります。
糖質を最初にエネルギーとして燃焼させ、糖質が足りなくなると身体は脂肪を分解して「ケトン体」を作って身体を動かそうとするようになります。
この状態を「ケトーシス」といいます。
次に糖質を摂取するまで、脂肪をエネルギーとして使ってくれます。身体を動かすと脂肪分が燃焼しやすく、脂肪燃焼ダイエットということになります。
ケトーシス状態を保つために、糖質は最低限にしておくと効果が高くなります。
ご飯も肉も食べないというようなストイックなダイエットではないので、意外に短期間や初心者向けです。
ケトジェニックダイエットのやり方
ケトジェニックダイエットは糖質制限ダイエットとは違うので、正しいやり方を知ってから行うことがおススメです。
何をどのように制限して摂取していくのかが、わりと細かく成功のキーになります。
イメージだけで進めてしまうと、一見成功したようでリバウンドしてしまうことも。
ここでは、正しいケトジェニックダイエット方法をご紹介します。
2.最初から厳しい食事制限をかけるとストレスから余計に食べたくなるので、徐々に慣れていくのがベストです。
3.米や麺、パンなどの炭水化物を少しずつ減らしつつ、その分を卵や豆腐、魚などに置き換えていきます。
脂質を多く含むナッツ類もおすすめ!
4.便秘気味の人は、炭水化物の量を減らすことで、食物繊維と水分の摂取量も減少してしまうため、意識して食物繊維の多い野菜を摂取します
糖質を多く含む野菜もあるので、注意して選びましょう。
初めの一歩!糖質を抑える・炭水化物、糖質の摂取を減らす
ケトジェニックダイエットの初めの一歩は、糖質を抑えることからです。
糖質摂取を抑えることで、今までの糖質エネルギーで動いていた身体を、脂肪エネルギーの身体に切り替える準備になります。
糖質、特に食後に血糖値が上昇しやすい食品を控えます。
米・パン・麺類などは食べることが出来ません。
一方ナッツ類は食物繊維が豊富で、GI値(食後の血糖値が上昇しやすいか)が低いのでおススメの食品です。脂質も取れることから、ケトジェニックダイエット向きですね。
糖質摂取の割合としては、1日に全体で2000㎉摂取するなら、10%以下つまり200㎉を目安にします。
糖質は全く摂らないというわけではなく、身体を動かし筋肉を保つ必要なエネルギーです。
米・小麦・ライ麦・そば、うどん、パスタなどの麺類・コーン・シリアル・ポップコーン等
●根菜
じゃがいも・人参・かぼちゃ・さつまいも等
●果物
バナナ・りんご・オレンジ・さくらんぼ・桃等
●お菓子類
脂質をしっかり摂る
脂質は一般的なダイエットではカットする対象になりがちです。
しかしケトジェニックダイエットでは良質の脂質をしっかり摂取することが基本になります。
一日の総カロリーの60%が目安となります。
脂質は、どんな脂質でもOKではありません。
しっかりと身体に取り入れるには、良質な脂である必要があります。
※良質の脂質
専門家からは脂肪は「一価不飽和脂肪酸」や「多価不飽和脂肪酸」を多く摂取するよう勧められることが多いですね。
これは「LDL(悪玉)コレステロール」を減らしてくれますし、多価不飽和脂肪酸は脳や細胞の健康を保つと言われています。
アボカドなどは高脂肪食品でカロリー過多を気にする方も多いですが、実はお腹の脂肪を落とす可能性を秘めています。
中鎖脂肪酸が豊富に(100%)含まれています。消化吸収が早く、肝臓で分解されケトン体になります。
●ココナッツオイル
中鎖脂肪酸が約60%含まれています。
●オリーブオイル
オレイン酸も含んでいます。
●ナッツ類
●ナッツ類
●食用油
オリーブオイル・ココナッツオイル・マヨネーズ・バター等
たんぱく質をしっかり摂る
ケトジェニックダイエットでは「脂肪」と一緒にキーになるのが「タンパク質」です。
タンパク質は身体を作る細胞の材料になる重要な栄養素です。
筋肉・血液・ホルモン・唾液や消化液などもタンパク質が分解されたアミノ酸から作られているので、自分の身体を作る要素と思うと摂取も真剣になります。
(身体作りのためならば、体重1㎏:2.2~2.3g程度)
糖質メインの主食を抜く代わりに、肉・魚・卵・大豆などをメイン料理に増量すると、せっかくトレーニングでつけた筋肉が落ちるのを防ぐ助けになります。
牛肉・鶏肉・豚肉・ハム・ソーセージ・ベーコン等
●魚介類
サーモン・マグロ・タイ・マス・カツオ・牡蠣・あさり・ホタテ・カニ等
生本鮪と肉の通販【築地わだつみ】
●卵
●大豆製品…納豆・豆腐
テレビ・ネットで話題の大豆ミートと言えば…SoMeat
ニンジン 130g(1本) 8.5g
れんこん 120g(1節) 16.2g
●イモ類●葉物
小松菜 45g(1茎) 0.2g
キャベツ 45g(葉1枚) 1.5g
●根菜
さつまいも 100g(中2分の1本) 30.3g
じゃがいも 100g(小1個) 16.3g
緑豆はるさめ(乾燥) 20g(約1食分) 16.7g
運動をとり入れる
ケトジェニックダイエットで運動を取り入れるのは、通常ダイエットのような汗をダクダクにかいてカロリーを落とすためではありません。
健康としての目的はもちろんですが、ケトジェニックの重要なケトン体が出やすくなることが目的です。そして、それは最終的に脂肪燃焼へと繋がっていきます。
ケトン体が出やすくする運動は、激しい筋トレやマラソンなどではなく、ゆっくりした「有酸素運動」が必要です。
ヨガ、ウォーキング、軽いジョギングなどがおススメです。
「運動パフォーマンスも上げたい」
と思う方は多いと思います。
しかし、心拍数が上がるような激しい運動をすると、交感神経が刺激されブドウ糖をエネルギーとする「グルコジェニックモード」になりやすくなる傾向があります。
あくまで「ケトジェニックモード」であることが大切です。
●運動強度は低~中程度
散歩・ジョギングなど(ケトジェニック中のランニングは脂肪燃焼効果が高くなります)
●食事設定は守る
運動していると、もっと痩せようと食事を抜いてしまう人もいますがNGです
●有酸素運動としての確認
〇息継ぎをしっかりできていること
〇心拍モニターが110~130におさまっていること
※上記のためには例として、ジョギングなどのスピードを上げると息継ぎが難しくなってしまうということになります。
ストレスをためない
生きているものは動植物いずれも、ストレスがかかると「緊急事態」と判断して、栄養等を蓄えようとする働きが始まります。
人間もストレスを感じると、身の危険を感じることで交感神経が刺激されて、せっかくのケトジェニック状態からグルコジェニック状態に移行してしまいます。
これは、脂肪エネルギー使用から糖質エネルギー使用になってしまうということです。
このストレスには「睡眠不足」なども入っているので、睡眠はケトン体をしっかり出すためにもリラックスして十分にとりましょう。
オメガ3系の油を摂る
ケトジェニックダイエットには良質な脂質が必要不可欠です。
そこで、摂取おススメである「オメガ3系油」について注目してみました
〇オメガ3系油とは?
オメガ3系油とは「オメガ3系脂肪酸」のことです。
「アマニ油」や「えごま油」が該当します。
酸化しやすいため、加熱せずに生食(ドレッシングなど)に使うのがおススメです。
加熱向きの良質脂は、ココナッツオイル・オリーブ油です。幅広く料理に使っている人は多いですね。
ケトジェニックダイエットに使えるレシピ
ケトジェニックダイエットに使える食材で、美味しくて簡単なレシピをご紹介します。
①メキシカン風アボカドスクランブルエッグサラダ
良質のタンパク質である卵と、マッシュルーム・トマト・レタス・アボカドを加えてみました。
ピリッとしながらもアボカドのマイルドさと、シャッキシャキのレタスで美味しい満足感が得られます。
【材料】
・卵 6個
・バター大さじ 2杯
・新玉ねぎ 1個(みじん切り)
・ハラペーニョピクルス 2スライス(みじん切り)
・トマト 1個(みじん切り)
・マッシュルーム(スライス3個分)
・ペッパージャックチーズ(細切り)
・塩コショウ適量
・アボカド1個
・レタス適量
【作り方】
1.フライパンでバターを溶かします
2.玉ねぎ・ハラペーニョ・トマトはみじん切り、マッシュルームはスライスにする
3.みじん切りの野菜を入れて軽く炒め、マッシュルームを入れて炒めます。
4.野菜をフライパン中央に集め、野菜を丸く囲むように卵を流し入れます
5.卵と野菜を混ぜながら、チーズと塩コショウで味を調えます
6.アボカドは1㎝角にして、レタスをちぎって更に盛る
7.6に5を盛り付けて完成!
②手作りマヨのチキンBLTサラダ
チキンとベーコンの旨味たっぷり。マヨネーズはオリーブオイルで健康的な手作り。
【材料】
○BLT用
・ベーコン 240g
・バター(お好みで)30g
・鶏モモ肉 450g
・ロメインレタス 300g
・半分にしたチェリートマト 120g
・塩コショウ適量
○手作りガーリックマヨネーズ用
・オリーブオイル1/2カップ
・卵黄1個
・塩コショウ
・ビネガー
・ガーリックパウダー ½テーブルスプーン
【作り方】
1.マヨネーズを作ります。ボールに卵黄・ビネガー・塩コショウを入れて、泡だて器でモッタリするまで混ぜます。
2.1に少しずつオリーブオイルを注ぎ入れ混ぜていきます。白っぽくなったらガーリックパウダーを入れて完成。
3.ベーコンをカリカリになるまで炒めます。肉汁が残ったフライパンはそのまま。
4.鶏もも肉を塩コショウで味付けをし細切り、3で使ったフライパンで黄金色になるまで焼きます。
5.皿にレタスをちぎって敷き、ベーコン・トマト・チキンを乗せて手作りガーリックマヨを乗せたら完成です。
③カリカリ厚揚げフレーク
厚揚げは大豆が原料。カリカリにして主食代わりにすると、歯ごたえ噛みごたえがあり満腹感が違います。
【材料】
・厚揚げ
・バジル
・胡椒
・オレガノ
・粉末ガーリック
【作り方】
1.厚揚げを細かく刻み、水で油を落とします
2.バジルなどの調味料を絡めます
3.フライパンでカリカリになるまで焼いて完成
Fatbomb(ファットボム)レシピ
ファットボムは、そのほとんどが脂質でできており、それ以外に少量含まれるのは味付けの材料のみになります。
ファットボムをまとめて作り、お腹が空いた時や疲れたり、食事に物足りなさを感じた時などに手軽につまめると便利です。
エナジーバー、チョコレートバーのような感じですが、市販より甘さ控えめでずっとヘルシーに作ることができます。
手軽に作れるFatbomb(ファットボム)のレシピをご紹介!
『ケトジェニック用 チョコレートピーナッツバターバー』
【材料】
○ピーナッツバターバー用
・溶かしバター 3/4カップ
・溶かしピーナッツバター 3/4カップ
・バニラエッセンス 大さじ1杯
・脱脂ピーナッツ粉 2カップ(炒ってあるもの)
・塩 大さじ1/4杯 *甘さが必要な方は、パルスイートなどカロリー・糖類がカットされた甘味料 1/2カップ
○チョコレートコーティング用
・無糖ダークチョコレート 90g(細かく砕いたもの)
・バター 大さじ2杯
【作り方】
1.最初にピーナッツバターバーを作ります。スクエア型焼き型にクッキングシートを敷きます。
2.大きめのボールにピーナッツ粉・溶かしバター・溶かしピーナッツバター・バニラエッセンス・塩・糖質カット甘味料を入れて混ぜます。(生地のような固さにします)
3.2を焼き型に入れ、厚みが一定になるよう押し入れます。上からクッキングシートを敷いて平らなもので押すと綺麗にできます。
4.次はチョコレートコーディングを作ります。チョコレートを細かく砕きます。
5.沸騰したお湯を鍋に少し入れて、耐熱ボールを入れて砕いたチョコとバターをいれて、混ぜ溶かして滑らかにします。
6.3で作ったバーにかけて、隅々までかかるようヘラなどで伸ばし拡げます。
7.1時間程度冷蔵庫で冷やし固めます
8.冷やし固まったら、好みの大きさに切り分けます。一個一個をラップで包んでおくと、持運びしやすいです。
9.保存は、温かいとすぐに溶けてしまうので、冷蔵庫にいれましょう。
サプリメントも活用しよう
基本的には食事を改善して必要な栄養素を摂取して、ケトン体を作れるようにするのが一番なのですが、理想的な形で食事に反映するのが難しい場合も多いでしょう。
食事で必要な栄養素を補えない場合は、サプリメントを活用するのも一手です。
日々の食事内容をメモしていき、摂取栄養素を書き出しておくと、摂取できていない栄養素が浮かび上がります。
特に女性は鉄分が取れていても足りない場合があるので、鉄剤を飲むまでもなくてもサプリメントでサポートしてあげましょう。
ネット販売などでも盛んに販売されている「ケトジェニック用サプリ」は、やはり足りない栄養素を補充するものがほとんどです。
「記憶・判断をサポート」「中性脂肪を下げる」【ミネルヴァ青魚の恵みDHA&EPA】
原則を意識
ケトジェニックダイエットの成功のコツは「原則を意識すること」です。
一般的な「ダイエット」といえば「食事量を減らす」「激しい筋トレなどをする」などが主流。
だからダイエットと意識しすぎると、必要なタンパク質や脂質を無意識に避けようとしてしまったり、摂取を加減しようとしたりします。
ここは意識的にケトーシス状態を保てるように、原則である適度な「タンパク質」「低糖質」「高脂質」の食事を心がけ、脂肪燃焼していきます。
また、ゆっくりではありますが、「運動」もこの原則にプラスしてあげましょう。
ケトジェニックは食欲を正常にする!
ケトジェニックダイエットは、「空腹」「満腹」というお腹の感受性を正常にする工程があります。
ダイエットを失敗する原因に、頭では「これ以上食べると太る」と分かっていても、「まだ大丈夫」と誘惑に勝てずに食べすぎてしまうということがあります。
これは「満腹」というサインを身体が正確に捉えていないことにあります。
↓
【糖質依存の場合】「レプチン」を受ける受容体の感度低下のために、食欲が止まりづらい。
【ケトン体の場合】「レプチン」を受ける受容体の感度改善・食欲正常リセットする働きがある
※ケトジェニックダイエットでは空腹を感じにくいので、やたらお腹が空いて食べてしまったり、お腹いっぱいにならないということがありません。
自分の食欲について、今一度確認してみましょう。
正しくない糖質制限ダイエットとは?
ご飯などの炭水化物を食べない「糖質制限ダイエット」がダイエットの主流のように流行しました。
しかし、本当に正しい糖質制限ダイエットなのか?というと、米や麺などを食べなければ良いというイメージが先行してしまい、正しくない制限をしている場合があります。
×炭水化物を少し控えるのみ
米やパンや麺などを少し控えてみる・・・という緩い糖質制限の場合は結果が出にくい傾向があります。本来の糖質制限まで達しないので、脂肪燃焼までたどり着かない場合があります。
×糖質を全く摂取しない
極端に糖質を全く摂取しないと、低血糖症のリスクがあります。低血糖症は冷や汗、動悸、意識障害、けいれん、手足の震えなどの症状があらわれるので注意が必要です。
×過剰摂取しやすい
糖質は手軽に摂取しやすい栄養素なので、ついつい摂取制限を解除しがち。制限をストレスに感じてかえって過剰摂取に繋がり肥満の一歩になってしまうことも。運動など動く分だけ糖質摂取できることが理想です。
×付き合いで食べてしまう糖質
「ランチに丼物やパスタなど食べに行きましょう」と誘われてしまったら。断りにくくて、ついつい「一食なら大丈夫だろう」と食べてしまう機会が多いのが糖質です。
トレーニング後などのタイミングで食べるなど、制限中でも食べても大丈夫な工夫が必要です。
×長期的な糖質制限
「慣れてくればご飯がなくても」と糖質制限に慣れを期待するのはNGです。長期的な糖質制限は筋肉量や代謝の低下、耐糖能低下があります。体脂肪減少停滞のリスクもあるので、リバウンドがしやすくなります。
完全糖質制限は2~3カ月を目処にしましょう。
ケトジェニックダイエットを成功させるコツ
ケトジェニックダイエットは、正確に言うと完全な糖質制限ダイエットではありませんが、過程の一つとして糖質を制限するので「糖質制限ダイエット」の中の一つといえるでしょう。
②制限糖質量を保つと脂肪分解が促され、「ケトン体」という物質が作られて糖質に代わるエネルギー源として利用されます。ケトーシス状態ですね。
※ただ闇雲に糖質制限するのではなく、脂肪を燃焼するところまで持って行くことに成功のコツがあります。
ケトン体を増やすことが重要になる
ケトジェニックダイエットでは「ケトン体」を増やすことが重要になります。
では、「ケトン体」とは?
身体のエネルギー源には「ブドウ糖」があり、これを元にして活動しています。
糖質を制限しつつ使っていくと、ブドウ糖が不足していきます。
身体は、不足を補うために新しいエネルギー源を求めます。
それが体内に蓄積している「脂肪」です
この脂肪が燃焼するときに生成されるのが「ケトン体」になります。
脂肪の燃えカスですね。
ケトジェニックダイエットは、ケトン体を増やすことが重要なのです。
ケトーシス状態を維持する
ケトジェニックダイエットでは身体の「ケトーシス状態」を維持することが大切です。
ここに、ダイエットの成功の鍵が隠されていると言えるほどです。
まずは、ケトーシス状態についてご説明しましょう。
ケトン体は脂肪燃焼した時に生じるものですから、ケトン体が増えるということはケトジェニックダイエットは順調ということになります。
このケトン体が通常より血液中濃度が一定値を超えている状態が「ケトーシス状態」です。
ダイエットとしてはこの状態をキープしたいので、タンパク質・低糖質・高脂肪の食事を続けていくことが重要になります。
一般的に糖質制限ダイエットの本質も、糖に代わってケトン体をエネルギー源として活用できるよう引き出すものです。
ただし、低糖質を頑張っても三日坊主ということになると、ケトーシス状態を維持することが難しいです。
自分を低糖質へ追い込むということも必要なのです。
良質な脂質の摂取がポイント
一般的なダイエットは脂質を食べないというところから始まります。
制限する一番初めに高カロリーということもあり、揚げ物などがあがるでしょう。
しかし、ケトジェニックダイエットでは脂質の摂取量を増やすのがキーになります。
その脂質も、何でも良いというわけにはいきません。
脂質の摂取として適しているのは「中鎖脂肪酸」が含まれているオイルが中心で、具体的には「MCTオイル」「ココナッツオイル」などが該当します。
「中鎖脂肪酸」はエネルギーに変わりやすく、体脂肪として蓄積しにくい特徴があります。
MCTオイルは中鎖脂肪酸100%のオイルですから、特にケトジェニックダイエットではおススメなのです。
ケトジェニックダイエットに期待できる効果
ケトジェニックダイエットをすることで期待できる効果は、ただ痩せるだけでなく、枯れた印象を持たせない健康的な痩せ方です。
まずは、ケトジェニックダイエットで「なぜ糖質制限するのか」という理由を知っておきましょう。
そもそも、インシュリンとはなんでしょう?
●膵臓から分泌されるホルモンの一種で、ランゲルハンス島(膵島)と呼ばれる細胞の集まりがあり、その中のβ細胞から分泌されるものです。
●糖の代謝を調整する働きがある。血糖値を一定に保ちます。
●食後血液中のブドウ糖濃度が上昇すると、インシュリンが分泌されます。
●糖をエネルギーとして利用するには、細胞表面のインシュリン受容体にインシュリンが結合することで血液中のブドウ糖を取り込むことができます。
●余ったブドウ糖は、グリコーゲンや中性脂肪に合成され蓄えられます。合成促進もインシュリンの働きになります。
☆ダイエットだけでなく糖尿病予防にも
糖尿病というのは、上記の大切な働きをするインシュリンが、分泌低下してしまう病気です。
「他に代わりの機能や働きをするものはないのか?」
生物には生き残るために予備機能が備わっていることが多いのですが、インシュリンだけは血糖値を下げる働きをする唯一のホルモンになります。
糖尿病を予防するには、食後に急激な血糖値上昇を抑えて、インシュリン分泌を節約する必要があるのです。
ケトジェニックダイエットは、ダイエットだけでなく、糖尿病予防にも活躍するのです。
※糖質を過剰に摂取して余ったブドウ糖は、インシュリンの働きで中世脂肪に合成されていきます。
つまり、糖質をたくさん食べてしまうと肥満の原因になたったり、せっかくのダイエットが無駄になってしまう可能性があるのです。
脂肪がつきにくくなる
「糖質を抑える」ということは、脂肪について2つの効果があります。
それに伴い、インシュリンの過剰分泌がなくなり、脂肪をため込む作用が軽減し効果を発揮します。
②①と当時に、脂肪をつきにくくする効果も期待できます。
③糖質制限により、インシュリンの働きによる脂肪溜め込み防止だけでなく、体脂肪燃焼という体質改善にも効果を発揮します
。
※身体のエネルギー源として「糖質」「タンパク質」「脂質」があります。
米やパン・麺を主食とする場合、カロリーの約6割を糖質で摂取していて、身体は「糖質」から順番にエネルギーとして使うので、体脂肪燃焼まで回ってこない、滞ってしまうというのが現実です。
糖質部分を減らすことで、早く体脂肪まで身体が手を出せるようにしてあげるというわけです。
自律神経を整え食べすぎが減る
ストレスから「やけ食い」「無性に食べたい気持ち」に走ってしまう方、結構多いかと思います。
「食べる」という行動は、心理的欲求を一時的にも満たしてくれるので、暴飲暴食・肥満に繋がるのです。
世の中のストレスをゼロにするのは難しいですが、自らの「糖質依存」を減らすことで血糖値の上下が少なくなり、自律神経が整っていきます。
自律神経が整ってくると、心身が落ち着いた状態にできる効果があります。
ケトジェニックダイエットのメリット
ただ食事を抜いたり、筋トレに励んだりするダイエットは、辛いけど単純で分かりやすいダイエットです。
そこに比べると、ケトジェニックダイエットが何となく複雑な気もします。
しかし、メリットは大きいです。
②食べた後の満足感を得られやすい
③糖尿病や糖尿病予備軍の人にもおすすめ
短期間で効果が実感できると、やりがいにつながります。
食べた後にすぐお腹がするダイエットは挫折しやすいものですから、満足感が得られるというのはダイエット最大のメリットでしょう。
そして、現代病として多くの人が困っている糖尿病にも良いとなれば、試してみる価値ありではないでしょうか!
短期間で効果が実感できる
全く食べないダイエットを短期間ですると、食べない重量分体重が減少します。
また、炭水化物を一切断って、プロテインだけなどの人もいます。
しかし短期決戦的ではありますが、そういったダイエットは食のストレスがたまり、爆発して爆食やリバウンドへ辿ることが多いでしょう。
ケトジェニックダイエットはケトン体が作られるようになると、効果はぐんぐん出てきます。ここに至るまでが個人差があるので要注意です。
一般的にはダイエット開始から2週間ぐらいと思っていましょう。
ケトン体を作るのに、体質などによって糖質制限を厳しくしないとできない人もいますし、意外に軽い糖質制限で達成してしまう人もいます。
「ケトン体できたかな?」
と心配な場合は、試験紙などで調べることができます。
ケトン体ができたら、1~2週間で体重減少を実感できると言われています。
食べた後の満足感を得られやすい
ダイエットは基本的に食事制限をしていくので、食に対してストレスを感じやすいものです。
それがリバウンドの原因になってしまうことも。
ケトジェニックダイエットは糖質制限はしますが、タンパク質や脂質に置き換えて三食きっちり食べることができます。
白いご飯がないと我慢できない・・・という方には向かないかもしれませんが、お肉大好き!という方には朗報なダイエットです。
また、緻密にカロリー計算していて嫌になってしまうのもダイエットのマイナス点ですが、ケトジェニックダイエットは基本的にカロリー制限がありません。
食材に制限ができるのが面倒かもしれませんが、自炊することによって食生活の改善にもなりますよ!
糖尿病や糖尿病予備軍の人にもおすすめ
血糖値はダイエットにとって成功のカギになります。
インスリンが血糖値を下げ、エネルギーとして使わなかったブドウ糖を脂肪に変えて蓄積してしまうのです。
炭水化物ダイエットをしている人にとっては「かえって脂肪がついてしまった」などという失敗談になってしまいます。
そして、脂肪をエネルギーとして働く身体になっていくのです。
ケトジェニックダイエットはこの効果を、2型糖尿病や糖尿病予備軍の人への健康法へもおススメできます。
健康であれば、血液中にあるインシュリンも上昇して、血糖値を一定に抑えることができます。糖尿病はこのインシュリンが機能せずに血糖値コントロールが難しくなります。
そこで糖質制限をすることで、食後の血糖値とインシュリン値が上昇しないので膵臓の負担を減らすことができます。
ケトジェニックダイエットの注意点
ケトジェニックダイエットは、ただ炭水化物を抜けばOKではなく、食べてよいものNGなものなど注意しなければいけない事があります。
間違った方法で行っていくと、リバウンドや体調を崩す原因になります。
注意事項を念頭に入れて、正しいダイエットを楽しみましょう。
ケトインフルエンザ
急な身体の変化を受け付けない場合もあることを、知っておきましょう。
炭水化物を摂取せずに完全なケトーシス状態になると、頭痛・疲労感・筋肉痛・吐き気・下痢等々など病的な不快症状が起こる危険があります。
エネルギー源を糖から脂肪に移行して身体が慣れてくると、体調は落ち着くでしょう。約1~2週間と言われています。
感情の起伏が激しくなる
糖質制限すると糖尿病予防にもなりますし、良い事ばかり・・・と思いがちですが、実はデメリットもあります。
甘い物を食べて「幸せな気分」という方は多いと思いますが、この反応は意外に的を得ています。
糖質が少ない食事ばかり続けていると、「幸せホルモン」と呼ばれる脳内物質である「セロトニン」分泌に必要な栄養を十分に摂取できなくなります。
「セロトニン」は、睡眠や食欲コントロールなど人の性質に関係する部分にも影響を及ぼします。
感情の起伏が激しくなる場合があることを念頭に置いておくと、感情のブレが出た時に落ち着いて対処できるでしょう。
リバウンドの可能性
ケトダイエットは最初に糖質制限するので、炭水化物をカットした時に体重が一時期落ちます。
炭水化物は多くの水分を保持するので、カットした場合この水分量が体重減少に影響すると言われています。
つまり、排尿として体外に放出されると、個人差はあるものの体重が数㎏落ちるので「痩せた?」と勘違いしてしまうのです。
一方、ケトダイエットは食べられる食材に限りがあるので、厳しい食事プランを作るのは大変。人によってはこの点で挫折してしまう人も少なくありません。
ところが、元の食事に戻ってしまうと、体重は簡単に戻ってしまいます。
便秘の可能性
ケトジェニックダイエットに限らずですが、糖質制限の食事で起こりやすいのが「便秘」です。炭水化物には食物繊維が含まれてるので、食べる量が減ってしまうと便秘を起こしやすくなるのです。水分も多く排泄されたりすると、さらに便秘がちに。ダイエット上だけでなく、便秘は健康的にも大敵です。
アボカド・ナッツ・でんぷん質の少ない野菜・ベリー系などはケトジェニックダイエット中でも食べられ、腸活促進してくれるのでおススメです。
下痢の可能性
ケトジェニックダイエットでは高脂肪の食事が推奨されます。
一方、体内の肝臓は胆汁を消化器系に分泌して、食べ物を分解補助します。
高脂肪の食事を摂取することで、肝臓は胆汁を余分に分泌することになってしまいます。
胆汁は天然の便秘薬ようなものなので、多い分泌は下痢の原因になることがあります。
喉が渇く
ケトジェニックダイエット中は、よく喉が渇きます。
余分な水分が全て排泄されるようになっているので、喉が渇くのも納得。
その分、普段以上に水分は摂取を心がけましょう。
「この水分量で大丈夫?」
と思ったら、排尿の際に色が濃かった場合は水分不足と思って良いでしょう。
腎臓にストレスがかかる
タンパク質を多く摂るダイエットでは、腎臓機能に悪影響を与える可能性があります。
腎臓はタンパク質の代謝で重要な役割を担っているからです。
腎臓はろ過機能があり、身体の不要なものを水分が多いものは尿として、溶けないものは便として排出します。
これが上手くいかないと、不要物や毒素が身体をグルグル回ってしまうことになります。
オメガ3系の油は加熱せず使う
オメガ3系脂肪酸とは、血液中の中性脂肪を下げる脂です。
EPAやDHA、α-リノレン酸などが代表で、必須脂肪酸となります。
熱に弱いので、ドレッシングのようにかけたり、和えたりして使うと有効です。
例えば、中鎖脂肪酸100%の油のMCTオイルは消化吸収が早く、素早くエネルギーに変わります。
身体に蓄積しにくいため、糖質制限中はおススメですね
具合が悪くなったら無理をしない
ダイエットにおいて無理は禁物です。
特に具合が悪いなと思ったら、一旦休んで様子を見ることも必要です。
ケトジェニックダイエット中は糖質を抜くので、血糖値の上下で具合が悪くなる人もいます。
少量の糖質を3食以上に小分けしておき、少しずつ口に入れてみましょう。
野菜や調味料の糖質量
糖質制限にあたって、炭水化物やイモ類など主要なところを抑えるのは簡単です。
しかし、意外に含まれている野菜や、調味料なども含まれているので注意が必要です。
糖質量が少ない野菜は、ブロッコリー・ほうれん草・アボカド・チンゲン菜・オクラ・キノコ類などです。
食べ過ぎない方が良い野菜は、トマト・パプリカ・じゃがいも・ニンジン・玉ねぎ、レンコンなど。
特にアボカドは、栄養素豊富で“森のバター”とも呼ばれいるほど。良質な油が摂取できるのでおすすめです。
調味料にも糖質が含まれています。
糖質の高い調味料には、醤油・酒・みりん・ソース・ケチャップ・マヨネーズ・ノンオイルドレッシングなどがあります
ケトーシス状態になった後であれば、多少摂取してもOKです。
まず期間を決めてから行う
ダイエットを行う際に「とりあえず痩せたいからスタート!」という方も結構います。
しかしケトジェニックダイエットは、ただ減量というわけではないので、まずは計画性をもって最初の一歩を踏み出してみましょう。
まずは期間設定から。これを決めずに闇雲に始めると、体調をくずしたり、リバウンドの原因になったりします。
また、体重は減っても、筋肉量が減る可能性があり、基礎代謝の低下も心配になります。
脂質の摂取増量は血管のつまりを起こす可能性もあるので、長丁場は良くありません。
かといって、いきなり糖質を元通りにするとリバウンドにつながります。
適度な筋トレも行う
ダイエットをしていて一番初めにするのが、食事量を減らすことですが、実は筋肉量を減らさないということが重要だったりします。
せっかく痩せても、筋肉がなくなってしまうと、基礎代謝が落ち、消費カロリーが減り、痩せにくい身体になってリバウンドすることがあります。
ケトジェニックダイエットは、しっかりとタンパク質と脂肪を摂るので、きちんとした筋トレをすることで、痩せて引き締まったボディに太りにくい身体を手に入れることができます。
まとめ
ケトジェニックダイエットは糖質制限ダイエットと混同されることが多いです。
が、ただ糖質をカットするのではない、もっと健康的で、根本的にダイエットことができる優れたダイエットです。
従来の「食べないダイエット」と違うので、きちんとした知識も必要になります。
今回はケトジェニックダイエットの原理から、正しい方法、メリットだけでなくリスクや注意点まで盛り込みました。
健康的なダイエットである一方で、聞きかじりや正しくない方法だと体調を崩す原因になるからです。
食事制限や糖質制限ダイエットで効果が出ない場合は、ケトジェニックに挑戦してみるのも一手ですよ。
脂肪燃焼しやすい身体作りを、タンパク質や脂肪を摂りながらできる、今までとはちょっと違った感覚で新鮮味もあります。
ケトジェニックダイエットは最初の二週間が勝負と言われているので、張り切ってレッツダイエットしましょう!
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