ほどほどの心理学~疲れてしまったあなたへ~

ほどほどの心理学~疲れてしまったあなたへ~


頑張りすぎて、疲れてしまっていませんか。
「一生懸命に取り組んできたのに、全然思うようにできなかった。」そんなふうに思って、自分を責めていたりしませんか。
気持ちも頭も身体も疲れてしまって、毎日が憂鬱で楽しくなかったりします。
ポジティブになりなさいと言われても、そんなすぐに切り替えられない。
でも、自分を責めなくていいのです。
完璧じゃなくていい。

自分のペースで、ほどほどと思うところから気持ちがフッと軽くなるのです。

頑張りすぎて燃え尽きないうちに


「なんでも一生懸命」「ものすごく頑張らないと」と思いがちな人は、まるでマラソンを短距離走を走るようにガムシャラに走るのに似ています。
ところが、ものすごく頑張った結果、ある日突然燃え尽きたかのように気力や意欲を失ってしまいます。
これを「燃え尽き症候群」といって、うつ病とはまた異なる症状です。
仕事だけでなく、子育てを終えた主婦などにもみられます。
ひどくなると会社を無断欠勤したり、人とのかかわりを断つなど社会にうまく適応できなくなったりもするので、早目の方向転換が必要になります。
燃え尽きてしまう前に「ほどほどの頑張り」で自分の人生を苦しくない楽しいものにしましょう。

責任感が強い人は「全力」で頑張ってしまう

人は、無我夢中で頑張っている時は遣り甲斐を感じ、自分では無理をしている自覚がないことが多いものです。
しかも「頑張れば頑張るほど成功が得られる」と思っている人も多いはずです。
確かに何事も頑張って得た成果を土台にしたものは、しっかりと上に積み上げていくことができます。
しかし、この「頑張り」にも度合いがあり、責任感の強い人ほど「全部」を自分で抱えて「全力」で頑張ってしまったりします。
責任感で頑張り過ぎたあげく、燃え尽きてネガティブになってしまい、成功が得られにくくなることも考慮しましょう。
一人で全部を全力で背負いこまなくてもいいのです。
たまには誰かの助けを求めてみましょう。

「完全」を目指さず妥協も必要

「目標は高く持とう!」学生時代にそんなふうに教えられた人もいるのではないでしょうか。
目標を高く持ち、それに向かって自己を高めていくことは確かに必要なことです。
しかし、社会人になってみると、高すぎる目標は挫折しやすい傾向があります。

仕事のできる人は、あえて目標は低く持ち、各目標を超えることで達成感を得て自己肯定感を保つといいます。仕事のゴールまで、小出しにモチベーションを高めていくことが可能になるのです。
一方、何事も全力で頑張って「完全」を目指す人ほど目標を高く設定する傾向にあり、それを「完全」に克服できないことで挫折感を味わってしまうことがあります。

どんなに素晴らしい目標を掲げても、自分が辛い思いをしてモチベーションを仕事のゴールまで保てないのでは苦しいだけです。
目標が低くても、完全でなくてもいいのです。
時には妥協も必要で「ここらへんで良しとしよう」という気持ちもアリなのです。

何事も「ほどほど」の目標と一緒に、一つずつクリアしていきましょう。

ポジティブにいこう!とはいうけれど


目標に到達しなかったり、失敗をしてしまったりすると、誰でも落ち込んでしまうものです。
「ポジティブにいこう!」と他人は軽く言ってくれますが、そんなに簡単にポジティブになれるのであれば苦労はしません。
でも、ネガティブな状態というのは追い込まれがちで自分が辛いだけです。

さて、「何事もほどほどに」という達観になるには、ポジティブさがカギになってきます。
そこでポジティブになれるコツを集めてみました。

短所や失敗ではなく、長所に目を向ける習慣をつける

人間はそもそも他人を否定的に考えがちで「ネガティビティ・バイアス」と呼ばれています。
最悪の事態を予想して、相手の良いところより変わった否定的な情報に目が向いてしまうのです。
なので「自分や周囲の長所に目を向けましょう」と言われても、簡単に捉え方を変えるのは難しいものなのです。

しかしこれでは、粗探しばかりして良いところが一切見えなくなってしまいます。
そこで、自然に長所に目を向けるのを待つのではなく、意識的に目をむけて「習慣化」するのです。「良いところ探しゲーム」という感じで心に負担にならない程度から始めましょう。
これが習慣化していくと、物事の捉え方も変わり、悪い所がどんどん目立たなくなってきます。他人の長所を見つければ見つけるほど、自分の長所も見つけられるようになっていきます。
そこから自尊心や自信が高まって、成功や幸福感へ繋がりさらにポジティブへ拍車がかかっていくことでしょう。

自信を身につけて、自己肯定感を高めてあげる

ネガティブな人の自己肯定感は低く、成功体験の積み上げが少なく失敗した記憶が強いのです。その結果自分に自信がないと思っている方が多いです。
誰にでも失敗はありますし、失敗を糧に次を頑張ろうと思えれば良いのですが、そう急に人間は方向転換することがしづらいものです。

ここで、言霊と呼ばれる言葉の訓練をしていきます。

まず、自分がダメだと思う部分を書きだしてみます。
例えば「自分は失敗ばかり」であれば、これにプラスして「と、今は思っている」と付け加えます。
こうすると、ちょっと現状から一歩引いて見ている感じがします。
さらにこれを変換して「今は失敗してもまたチャレンジしてよい」という許可型文章にします。
これが今自分に「自分は失敗ばかりだと今は思っているけど、失敗してもまたチャレンジしてよいのだ」という許可を出すことになります。
「チャレンジしてよい」という自分に、次は「どうしたら上手くいくようにできるのだろう」という言葉の変換になっていくことができれば、今度は口に出して読んでみましょう。
これが自己肯定感への一歩に繋がっていきます。
一つひとつステップを踏みながら自己肯定感を高め、次の成功体験へとつなげていきます。

ポジティブな言葉を口にする癖をつける

ポジティブな言葉を口にすることを習慣化できるようにしましょう。

練習に前向きな言葉を日頃から読むようにします。
「必ずできる」「絶対うまくいく」など、単語読みから始めても良いでしょう。
最初は何となくセリフを読むみたいで違和感を感じても、周囲の印象もよくなり、人間関係がスムーズになってくると自分の言葉になっていきます。
ポジティブな言葉をもっとリアルな好感度に演出するには、適度な運動や栄養をとって心身ともに安定させることです。健康的でポジティブな様子は周囲に好印象を与え、自分にとっても自己肯定感に繋がっていきます。

一緒に居て楽しい人と行動してみよう

暗いところでうつむいて愚痴を言い合っていると、なんだかもっと沈んだ感じになりませんか?
明るくポジティブで一緒にいると楽しいと思う人と居られると、楽しいだけでなく自分までポジティブになった気分がします。
人を選ぶわけではありませんが、まずは一緒にいて楽しい人を探してみましょう。

笑顔で過ごしてみよう

顔の口元の「口角」を上げると、目がちゃんと笑っていなくても「笑顔」に見えます。
本当の自分の笑顔が難しい時には、まずは「口角」を上げてみましょう。次に目がついてきます。
笑顔で過ごすことは、明るく和やかな雰囲気にしてくれる力になります。ポジティブな気持ちでいるには、笑顔が似合います。

服装やファッションを気分が明るくなる色合いで

「テンション上がる!」という物事は人によって違いますが、服装などは特に気持ちを上げてくれるものです。
太陽のような暖色系を取り入れると、服の色合いから明るい気分とパワーをもらったような気がします。服装が難しい場合は、手持ちの小物に色を取り入れましょう。色の影響は人間の心に強く影響するものです。
同時に新しい服、洗濯してアイロンをかけたパリっとした着心地など、服装からもらうテンションを大切に取り入れたいところです。
確たる良いことがなくても、ポジティブな気持ちにして後押しをしてくれます。

周りの評価を気にしないで


「周りの評価を気にしないで」と言われても、一生懸命頑張っている人ほど評価は気になるものです。
さらに、他の人と自分はどうだろうという「他人と比較」も気になってしまうもの。

頑張りすぎる人は、この他人との比較で劣等感を抱きたくない、優越感を得たいということが隠れています。
「劣等感を感じたくない」「他人に負けたくない」という気持ちは誰にでもあるものですが、あまりにこれが強すぎて、この気持ちに突き動かされる行動であると、自分のペースが崩れ自分を追い込むことになってしまいます。

「他人に負けたくない」という気持ちは長所として働く一方で、自分の非を認めることができなかったり、人に謝ることができなかったりという短所につながることがあります。

さらに、勝ち負けにこだわりすぎると、自分の心のペースも乱され本来の行動に支障をきたします。

まずは周囲の評価よりも自分を「自分はこんなもの」とありのままに認めてあげるところから始めましょう。

ほどほどに頑張れるようにするコツ


「まぁ、ほどほどに頑張ることだよ」なんて言われても「ほどほどってどれくらい?」と思ってしまったり、「どうしたら、ほどほどで自分をセーブできるのだろう」という疑問がわいてきたりします。
そこで「ほどほど」に頑張れるようになるコツを試してみましょう。

集中する時間と休憩する時間を分ける

やることが山積みで何時間もぶっ通しで頑張り続ける。もっともっと頑張らないと。頑張らない時間はもったいない。
・・・・そんなふうに頑張り続けていませんか?

人間の集中力というのは案外短いもので、90分程度が限界だと言われています。
ですから、講義などで90分授業というのが多いですね。
仕事などで、もっと短い25分間スパンで5分休憩という人もいます。
この脳がフル回転する時間を超えると、だんだんと効率が落ちていきます。

酷使した脳からは、アイデアなどの創造性から作業などの生産性も低下していきます。ただ、ひたすら脳も気持ちも疲れていってしまいます。

自分の脳の本来の力を発揮させるには、適度な休息とリフレッシュが必要で、脳が疲れ切ってしまう前に与えておきます
脳の創造性は休息中に発揮するとまで言われているくらいですから、集中する時間と休憩する時間をはっきり分けて一度深呼吸を組み込んでみましょう。

何も考えない時間を持とう

集中する時間と休憩時間をわけたら、休憩時間に短時間仮眠を取るのも脳の効率に良いとされています。
他にも、誰かと全く違う話題でお茶をしておしゃべりをするなども、脳がリフレッシュするでしょう。
おススメは休憩時間を「何も考えない時間」にすることです。
頭も心も空っぽの時間。
忙しい時などは、何も考えないといっても考えちゃうので難しいのですが、あえて意識的に「何も考えない」のです。

何も考えないコツ
・スマホ・パソコンをシャットダウン(または見ないようにする)
・座禅を組むように自分の呼吸に集中して無心状態を作っていく
・緑のある景色を観る。空、花なども観ることで心のリラックスをはかる
・身体の末端(手や足)を温める。足湯などできると「気持ちいい!」と思った瞬間他のことは考えないで済みます。

プライベートで趣味など夢中になれるものを見つけよう

プライベートで趣味はありますか?
登山やサイクリングなど趣味の人気ランキングによく上がってきます。
インドアでは、ゲームや読書、料理やお菓子作りも人気があります。
楽しくて無我夢中になってしまうような趣味があると、燃え尽きてしまう自分防止に役立ちます。
また、仕事や学校の他の面で自分が輝ける場があることで、自己肯定感にも繋がります。
趣味が充実していることは、決して無駄な時間ではないのです。

頑張りすぎて睡眠不足は空回り

猛烈に頑張っちゃう人は、睡眠時間を究極に削ってでも頑張ってしまいます。

しかも、頑張りすぎて眠いのに眠れなくなってしまうことも。
その結果は、頑張った事柄は完成したとしても、疲労が蓄積されて解消せず、つまらないミスや失敗を連発してしまうことにつながります。

「なぜこんな失敗をしてしまったのだろう」
という気持ちは、自己肯定感にとってマイナスです。
自分の仕事や勉強のためにも、美容と健康のためにも、睡眠を十分とるようにしましょう。

ちょっと離れたところから全体像を見渡してみよう

一生懸命ひたすら頑張っていたら、周囲が見えていなくて視野が狭くなっていた・・・なんてことは頑張りすぎな人にありがちなことです。

フッと息をついて、少し離れた視点で観ることができれば良いのですが、頑張っている真っ最中は「前のめり」な姿勢のままです。
この姿勢のままだと、難問など壁にぶつかった時に解決策や道を見つけられず、迷路にグルグルはまってしまいます。

頑張りすぎていると思ったら、少し視点を離して冷静な気持ちで見回してみましょう。

スッキリとした全体像が見えて、余計な頑張りが要らなくなるかもしれません。

「ほどほどに頑張る」ということを自分に許す


「ほら元気出して頑張って!」と声掛けしてくれる人は多いです。
励ましてもらって、思わず張り切ってついつい頑張りすぎてしまいそうです。
ところが今度は「ほどほどに頑張って」と声を掛けられました。
思わず肩の力が抜けて、何だかホッとしている自分がいます。
極端な例えですが、他人から「目一杯頑張らなくてもいい」という「許可」を得た自分がいるような感じです。
ガチガチに頑張る体制の人には、この「自分への許可」が必要かもしれません。

「ほどほど」を自分に許せない自分

「努力と頑張り」子供の頃から学校などでよく聞かされてきた言葉です。
もちろん、とても大切なことで、何事も努力と頑張りがなければ成し得ないものです。

大人になってくると、これが更に厳しい社会が待っていて、
「ものすごく頑張らなければ達成できない」
と、自分を追い込んでしまうこともあり得ます。
過度に頑張らなければ成功しないと思い込んでしまったり、優越感のために必要以上に頑張ってしまう場合もあるでしょう。

こんなシチュエーションが、「ほどほどに頑張る」という自分を、「許せない自分」にしていくのです。

自分に自分で「ほどほど」を許してあげよう

ガリガリと根を詰めて頑張り続けているけれど、実はのんびりした自分が本来の自分。なんていう人は意外と多いです。
ところが本来の自分じゃないのにという人ほど、「ほどほど」を自分に許可できない傾向があり、許可できないと辛くて苦しいままです。

人間は自分に許可できないことは、心理的に実現したり手に入れたりすることが難しいといわれています。
ほどほどに頑張る日々を送りたいと思ったら、まずは自分が自分に許可してあげましょう。

ほどほどの母親と完璧な母親


初めてのお子さんを持つお母さんほど、完璧な母親を目指してしまいがちです。
赤ちゃんは何で泣いているのか、今赤ちゃんは何を欲しているのか、母親なら分かって当然という完璧な母親像を描きます。

では、赤ちゃんの欲求を全て分かって先手にまわってパーフェクトなお世話をする「完璧な母親」が「良い母親」でしょうか。

実は赤ちゃんの世界は限定的で、目や耳や身体が未発達であるがゆえに自分のみの世界の中にいます。
赤ちゃんは「お腹がすいた」「お尻がぬれている」という不快感を泣いて知らせますが、これはミルクやおむつを与えてくれる「母親」の存在を「足りない」ということから知ったからです。

泣く前のパーフェクトな世話をする「完璧」な母親よりも、足りないことから周囲を認知させてくれる「ほどほど」の母親は生きていく上での現実を教えているのです。

まとめ


「ほどほどが一番!」
頑張ることはとても大切なことですが、過剰に頑張りすぎると心身ともに病んでしまう原因にもなりかねません。
でも頑張ってしまう。真面目な人ほどそのループにつかまってしまいます。
そんな方のために、今回はほどほどに頑張れるための要素を集めてみました!
一緒に「ほどほど」に頑張りましょう。

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