『中学生になる息子との接し方が分からない』
『息子が中学生になった途端に歯向かうようになってきた…』
『息子が何を考えているのか分からない…』
このような悩みを持つ親御さんは多いです。
特に、中学生の息子を持つお母さんは、思春期に入った息子が突如別人のように反抗的になってきて、さぞ戸惑っていることでしょう。
『男の子ってみんなこんなに荒れるものなのかしら…それとも、ウチだけなのかも…』
そんな風に悩んでいるお母さんのために、『思春期男子の心理』を説明してみたいと思います!
中学生男子はとにかく心が不安定
まず大一番に理解しておいて欲しいことは、
『中学生の男子はとにかく心が不安定である』
ということです。
理由は、ホルモンバランスの乱れです。
男子は10歳ごろから第二次成長期が始まり、中学生2・三年生ほどでピークを迎えます。急激に背が伸びて、身体ががっしりとしてくるのはこのためです。声変わりもこのときに起こりますね。
しかしその急激な体の変化が、心を不安定にさせるのです。
これは、女性の生理を考えるとよくわかると思います。
人間の心というものは体と直結しているので、体の状態が即、心の状態に現れます。
『心とは体の状態の現れだ』
と断言する作家の先生もいるぐらいです。
お腹が減ればイライラするし、ぐっすり寝た翌日は気分が爽快になりますよね?
心=体なのです。
そして、第二次成長期の最中というのは、たえず体のなかが造り変えられていて、落ち着かない状態です。
ある大手予備校のカリスマ教師は、思春期の子供の心が分からないという母親にこう説明していました。
『思春期というのは、いうなれば一年中生理が来ているようなものと考えてください』
非常に分かりやすい説明だと思います。
思春期男子特有の精神状態
では、男の子は思春期になるとどのような精神状態になるのでしょうか?
まず、とにかく落ち着きがなくなります。
すぐテンションが上がって大はしゃぎしたり、そうかと思うとささいなことですぐに落ち込んだりと、とにかく心が安定していません。
そのため、そんな不安定な心を静めるために、テレビや音楽、ゲームや映画などの刺激を求めます。
こういうとあまりよくないことのように思えますが、違います。
人生でもっとも感受性が強くなっているときが、思春期なのです。
そのため、この時期に出会った小説や映画、音楽は、『人生でもっとも好きになった趣味』として一生の思い出になります。親御さんも経験があると思いますが、映画好きなら映画、テレビドラマ好きならテレビドラマなど、あなたがもっとも好きな作品はほとんどこの時期に見たものではないでしょうか?
もちろん、友達との遊びなども非常に楽しく、一生の思い出に残ります。
このように、思春期の子供はとにかく心が不安定であるがために、感受性が非常に強いのです。
これは思春期の良いところと言えるでしょう。
しかしもちろん、反対の悪い部分もあります。
不安定な心のせいで凶暴になったり、親や教師に盾突いたり、度を外れた遊びをしてしまうのもこのためです。
思春期が母親を嫌う心理
世のお母さん方がもっとも戸惑い、悲しむ思春期男子の行動といえば、
『母親のことを急に毛嫌いし始める』
ということだと思います。
それまではむしろ仲良し母子だったのに、息子が中学生になるころから急に母に辛く当たるようになった…などはよくある話です。
また、母親のことを『ババア』『アンタ』など、口汚くののしったり、他人のように呼んだりし始めます。
これは、なぜなのでしょうか?
ひとつには、『親から自立したい』という願望の表れです。
動物はある程度、成長すると親元から離れます。人間も同じで、もう十分にひとりで生きていける年齢になれば親から離れてひとりで生きたいと思うようになります。
しかしそれは動物や原始時代の話で、現代では13~15歳の少年はまだまだ子供です。
そのため、親元から離れるわけにはいきません。
こういった、『本能が親から離れたいと思っているのに、社会がそうさせてくれない』というジレンマが、親への攻撃性となって現れるのです。
異性を意識し始めるお年頃
さらに、息子が母親を嫌う理由には性の目覚めがあります。
簡単にいえば、思春期の男の子は女の子に興味を持ち始めます。
異性を意識し、男と女は違うのだと理解し始めます。
しかし勇気や経験値がないので、『仲良くなりたいけど話しかけられない』『自分に自信がもてない』というような状態になります。
分かりやすく言えば、女性に対してコンプレックスや苦手意識を持つようになるのです。
そんなとき、身近にいるもっとも近い異性である母親に対して、その怒りや苛立ちをぶつけてしまいます。『母親=女』『女=苦手な生き物』という図式が出来上がるからです。
ですので、母親がちょっとでも女性らしい行動や発言などした日には、心の底から怒り・嫌悪します。なにもしなくても嫌います。身近にいる異性に戸惑っているからです。
こういった『異性への戸惑い・苦手意識』と、『独り立ちしたいのに出来ない親への苛立ち』が合わさって、母親を攻撃するのです。
反抗期の男の子との接し方
では、お母さんは思春期(反抗期)の男の子とどのように接すれば良いのでしょうか?
実は、これは非常に簡単だったりします。
『関わらない』
これだけで十分です。
さきほども説明したように、思春期というのは親から自立し、自分の力で生きていきたいと考え始める年頃です。
つまり、親から干渉されるのを嫌います。
子供時代のように親からあれこれ言われたり、管理されることは思春期男子にとって最も腹の立つことなのです。
しかしそれは、裏を返せば『親の力を借りずに生きていこうとする始めの一歩』であるわけです。
赤ちゃんがよちよち歩きをしようとしたとき、『ダメ!』と言ってやめさせる親はいないでしょう。
それと同じで、思春期の親離れを止めてはいけないのです。
たまに勘違いしている親御さんがいますが、
『うちの子は反抗期もなくて、ずっと親の言うことを聞く良い子でした』
などというのは、仲の良い家族でもなんでもありません。子供を支配し、素直に成長することを許さなかった家庭でしょう。
そのように育てられた子供が、大人になって犯罪に手を染めたり、引きこもりになったりするのです。
まとめ 中学生男子は放任が一番
今回の話をまとめると次のようになります。
〇思春期はホルモンバランスが崩れて心が乱れる。
〇親への反抗心は自立心の現れ。
〇母親を嫌うのも成長の証
〇無理にかかわらず、放任するのがベスト
もちろん、放任と言っても悪いことをしたり、他人に迷惑をかけたりした場合は叱らなければなりません。
しかしその場合も、母親より父親が強く叱った方が効果的です。
また、叱る場合も、子供の反抗的な態度を感情的に叱るのではなく、悪いことをしたときにそれがなぜ悪いのか、あなたの人生にどれだけマイナスになるのかをキチンと説明した方が良いでしょう。
親御さんにとって男子の反抗期は大変ですが、『反抗する=グレる』というわけでは決してないので、どっしりと構えて自立の手助けをしてあげましょう。
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