甘やかされた子供は将来どうなる?厳しいしつけと叱る効果や結果は?

『甘やかされて育った子は将来わがままになる』
『あの子は甘やかされて育ったからな』

『厳しくしつけすぎると引きこもりになる』
『厳しすぎる子育ては子供をダメにする』

子育てについては誰でも悩むものですよね。
そんな数ある悩みのなかでも、特に大きいのがこの、
『子供は甘やかして育てるべきか、厳しく育てるべきか』
という問題だと思います。

そこで今回は、甘やかされて育った場合と、厳しく育てられた場合の違いや、正しい子育てについて考えてみようと思います。

甘やかされて育つとどうなる?

一般に甘やかされて育つと、以下のような良い面・悪い面があると言われています。

『良い点』

〇親子仲が良くなる。
〇自分の意見をハッキリ言える子になる。
〇人見知りをしない。

『悪い点』

〇わがままになる。
〇甘ったれていて努力しない人間になる。
〇自分の思い通りにならないと気に食わない自己中人間になる。
〇お金使いが荒くなる。

やはり甘やかされて育てられた子供と聞いて真っ先に思いつくのが『わがままになる』というものではないでしょうか?

子供のころから『あれ買って』『これして』といえばそのとおりにしてもらえていたのですから、わがままになるのも当然です。

わがままも、子供ならばまだかわいげもありますが、大人になってからのそれは自己中で幼稚そのもの。自分の思い通りにならないとすぐに不機嫌になったり、拗ねたりする幼稚な性格の大人になりやすいです。

また、欲しいモノがなんでも手に入っていたので、努力することを知りません。根性もなく、ちょっと嫌なことがあれば仕事をやめたり、他人のせいにすることもしばしば。

このように甘えられて育った子供は、幼稚で自己中な大人になりやすいです。

ただし、親子仲が良かったり他人に物怖じしない人間になるという利点もあります。

とはいえ、たとえば男性の場合は親子仲が良い=マザコンの可能性も高いように、一般的に言う仲の良い家族とはズレているかもしれませんが…。

厳しく育てられるとどうなる?

では、反対に厳しく育てられるとどうなるでしょう?

『良い点』

〇ルールを守る大人になる。
〇自分のことは自分で出来る大人になる。
〇礼儀正しくなる。

『悪い点』

〇他人に怯える性格になりやすい。
〇ルールを守ろうという意識が強すぎてのびのびと生きられなくなる。
〇他人の顔色をうかがう人間になりやすい。

厳しく育てられた場合、その子はルールを守る人間に育ちます。ルールを破れば即・叱られるのですから、当然です。

それだけをみれば良いことのように思えますが、反対に『ルールを守らなければ』という意識が強くなりすぎて、他人とうまくいかなくなったりすることも多いです。極端な例でいえば、仕事中に一切の私語を許さないとか、奥さんが掃除をサボっても起こるような大人になる可能性があります。

さらに、厳しく育てられすぎたために両親に怯えるようになり、ひいては大人や、すべての他人に対して怯える人間になる危険性も高いです。

また、あまりにも強く押し付けられた『ちゃんとしなければならない』という価値観のせいでがんじがらめになってしまい、自由に生きられなくなってしまって、最終的には引きこもりになってしまうようなケースさえあります。

愛情があるかないかで結果は正反対になる

ここまで読んで、

『でも、甘やかされても幸せそうな大人になったひともいれば、厳しくしつけられたおかげで立派な大人になったひとだっているじゃないか』

と思われた方もいると思います。

そのとおりです。
実際、親に甘やかされて育ったがゆえにいつも幸せそうで、人当たりもよく、友人の多い幸せな人生を送っているひともたくさんいます。

厳しくしつけられたおかげでルールを守ることや努力することの大切さを身に付け、会社の社長などになって活躍されているひとも大勢います。

この違いは何なのでしょうか?

答えは、

『親の愛情の違い』

です。

同じ『甘やかす』でも、親が子供のためを思い、抱きしめてあげたり頭をなでてあげたり、褒めてあげたりするのは子供にとってプラスになります。

反対に、自分の見栄のためや子供のご機嫌を取るためにモノを与え続けたり、子供に好かれ続けていたいからと子供を叱らずご機嫌取りばかりしているような甘えさせ方を続けた場合、その子はわがままで自己中な大人になるだけです。

厳しくしつけることも同じです。
子供が将来、苦労しないように、たとえ今は子供を泣かせてしまってもキチンとルールを教えてあげて、将来のために勉強や努力をさせた場合は、子供はやがてルールを守り、努力する立派な大人になります。

反対に、子供のためのしつけと口で言いながら、自分のイライラをぶつけるために子供を叱ったり、怒鳴りつけたり、あるいは子供の将来のためなどと言いながら、本当は自分の子供を良い大学に入れて良い顔をしたいだけで無理やり勉強させたりすると、その子は歪みます。他人に怯えたり、他人を見下したりする人間になります。

このように、同じ『甘やかす』、『厳しくしつける』でも、そこに本当の愛情があるかどうかで結果は大きく変わって来てしまうのです。

子供は甘やかして育てるべき?厳しく育てるべき?

結局、子供は甘やかして育てるべきなのか、厳しく育てるべきなのか、どちらなのでしょうか?
結論は簡単です。

『愛情を持って甘やかし、しつけるところは厳しくしつける』

ありきたりな結論ですが、これしかありません。
愛情がない、ただ親が心地よくなるだけの甘やかしはペットをかわいがるのと同じです。
同じく愛情のないしつけはただの虐待です。

そのような親のもとで育った子がまともに育つわけがありません。

反対に、子供を良い意味で甘やかし、たとえばたくさん褒めてあげたり抱きしめてあげたりすれば、子供は『愛されている』『必要とされている』と感じ、生きる自信や幸福感を身に付けることができます。

厳しくしつけることも同じです。
子供が将来、苦労しないように、または他人に迷惑をかけて嫌われたり孤立しないように、ダメなものはダメとしっかりと教えることは、子供を健全にまっすぐ育てます。努力する大切さや責任感が身につくからです。

決して『お前のためだ!』『あなたのためを思って言ってるのよ!』などと聞こえの良いことをいって、イライラをぶつけてしまってはいけません。

もちろん、子育ては大変なのでときにはそのようなこともしてしまうかもしれませんが、それが日常的になってはダメです。子供は必ず萎縮し、他人に怯えます。最終的には引きこもりになる危険性さえあります。

愛情を持って甘やかし、愛情を持って厳しくしつける。
このふたつのバランスこそが一番大切なのです。

まとめ

『甘やかす、も厳しくしつける、も、そこに愛情があるかどうかで結果は変わってしまう』
『もっと良いのは、愛情をもって甘やかすところは甘やかし、厳しくしつけるところはしつけること』

余談ですが、幕末の英雄として今でも日本中のひとびとに尊敬されている吉田松陰は、子供のころから叔父にそれはそれは厳しく育てられました。勉強を教えられていて、殴られることもしょっちゅうだったそうです。
しかしその叔父は、勉強を教えるとき以外はそれはそれは松陰をかわいがり、愛情を注いでくれていたそうです。単なる考えなしのスパルタ教育ではなかったそうです。

結果、吉田松陰は日本初の総理大臣である伊藤博文をはじめ、歴史に名を残す英雄を次々と育て上げることに成功しました。厳しさと愛情のバランスの大切が分かるエピソードですね。

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