最近、『子供を愛せない父親』の存在が問題になっています。
『自分の子供なのに愛情を感じない』
『長女には愛情を注ぐのに、長男には冷たい』
など。
奥さんや周囲の家族が心配になってしまうような薄情な父親が増えてきているようです。
いったい、その原因は何なのでしょうか?
我が子を愛するなんて普通はあたり前のようにできそうなものなのに、なぜ、我が子を愛せない父親が生まれてしまうのでしょうか?
今日は、そのあたりを説明してみたいと思います。
目次
子供を愛せない父親は存在する
『自分の子供を愛せない親なんていないよ』
『どんな親でも、子供はかわいいもの』
『子は宝』
このような意見を一度や二度は耳にしたことがあると思います。
ようするにこれらは、
『どんな人間でも、自分の子供は愛しく感じるのが当たり前』
と、言いたいわけです。
しかし、ここはハッキリと断言しましょう。
『子供を愛せない親はいくらでも存在する』
これが現実です。
自分の子供なのに、いや、自分の子供だからこそちっとも愛情を感じない、かわいいと思えない親は、世の中にたくさん存在しているのです。
でなければ、虐待など起きるはずもありません。
『親は無条件で子供を愛するもの』
という前提は、残念ながら真実ではないのです。
男性であっても女性であっても、子供を愛せないひとはたくさんいるのです。
特に最近問題になってきているのが、子供を愛せない父親です。
なぜ、彼らは自分の子供を愛せないのでしょうか?
子供を愛せない父親の心理
『うちの夫は、自分の子供に対してすごく冷たい。まるで嫌いな人と接しているように、敵意をもって接する』
『長女はかわいがるのに、長男にはとても冷たい』
最近、このような悩みを抱えている奥さんが多いようです。
これらはすべて、
『父親が子供に愛情を持っていない』
のが原因です。
では、なぜこのような父親は子供に愛情を持てないのでしょうか?
それにはいくつかの理由があります。
〇自分自身が大人になりきれていない。
〇自分自身のことが本当は嫌いで、その嫌悪感を子供に投影してしまう。
〇子供の頃、親に冷たく育てられた。
〇奥さんの愛情に飢えている。子供に嫉妬している。
ひとつずつ説明していきます。
自分自身が大人になりきれていない。
いわゆる未熟な大人というやつです。
人間は、年齢とともに精神も成熟していきますが、残念ながら体と違って精神の成長には大きく個人差があります。
体は立派な大人なのに、精神は子供、ということも珍しくありません。
子供を愛せない父親というのも、この『体は大人、心は子供」というケースが多いです。
心が子供だから、同じように子供を見ると、『自分の家のなかに入り込んできたよそ者』のように思ってしまって、愛情が沸かないのです。
親からの愛情をあまり受けずに育った人間が、このようになりやすいです。
自分自身のことが本当は嫌いで、その嫌悪感を子供に投影してしまう。
父親が、心の底で自分自身を嫌っている場合、子供を愛せなくなりやすいです。
なぜなら、子供は自分の分身だからです。
分身なので、自分と同じ『欠点』を見出してしまいます。
そして、嫌ってしまいます。
このとき問題なのが、人間は自分自身への嫌悪感からは目をそらせるけど、他人への嫌悪感からはなかなか目をそらせないということです。
誰でも、他人の欠点にはすぐに気がつくけど、自分の欠点には甘かったりしますよね?
これと同じことを、自分の子供にしてしまいます。
特に、自分よりも弱い立場にいる子供に対しては、露骨になります。
『あの子のここが許せない』
『ここが好きになれない』
こうして、自分の子供を嫌ったり、気持ち悪いと感じたり、憎く感じたりしてしまうのです。
このような父親は、実は劣等感のかたまりだったりします。
子供の頃、親に冷たく育てられた。
子供のころ、親に冷たく育てられた人間も、我が子を嫌いやすくなります。
なぜかというと、自分にされたことを子供にやり返したくなってしまうからです。
これを『虐待の連鎖』と言います。
親にひどい仕打ちを受けた子が、大人になってからそれと同じことを自分の子供にしてしまう…。
『親にひどい仕打ちをされたのなら、悲しみや辛さが分かるんだから、自分の子供には優しくなれるんじゃないの?』
と思うのは、残念ながら愛情のある家庭で育ったひとの発想です。
現実は、多くの場合、そうはならないのです。
なぜならそういう家庭で育ったひとは、温かい家庭というものが分からないからです。
分からないのでは、作りようがありません。
(もちろん、なかにはその後の人生経験で愛情を知り、温かい家庭を築くひともたくさんいますが)
また、なによりも、そのような家庭で育ったひとは心のなかに『家族への憎悪』があることが多いです。
その憎悪を、子供にぶつけてしまうのです。
奥さんの愛情に飢えている。子供に嫉妬している。
これは男性特有の動機ですが、
『奥さんが子供にばかり構っているのが気に食わない』
という父親が一定数、存在します。
女性や、良識のある男性からすれば『なんだそりゃ』『なにを子供みたいなこと言ってるんだ』と呆れてしまいますが、残念ながらこの手の男性は非常に多いです。
これは、言ってしまえば『愛情欲求が満たされていない』という状態だといえます。
というとなんだか深刻に聞こえてしまうかもしれませんが、分かりやすく言えば、
『いつまでも恋人時代のようにイチャイチャしていたい。子供とかどうでもいい』
という、非常に幼稚な精神状態だと言えます。
何度も言いますが、人間というのは体は自然に成長しても、心の成長には個人差があるのです。
見た目は大人でも、中身は小さな子供のまま、という男性も決して少なくないのです。
ある心理学者は、日本人の男性のほとんどは、精神年齢が10歳に満たない、と本で書いていました。
精神年齢は低いのに、一応、人生経験や知識は年相応にあるので、そう見えないだけだということです。
しかしこの手の男性は、結婚し、子供ができると正体がバレてしまいます。
年を取っただけの子供は、子供を愛せないのです。
男の子と女の子の違い
ちなみに子供を愛せない男性のなかに、まれに、
『女の子は愛せるけど、男の子は愛せない』
というタイプがいます。
一説によると、このタイプの男性は女好きであることが多いようです。
自分の群れのなかに、ほかの男が入り込んでいることが許せないのです。
つまり、自分の息子をライバル視してしまっているのです。
これもこれで、息子さんにとっては辛い家庭になってしまいます。
子供への影響は?
親に愛されなかった場合、子供への悪影響は測りしれません。
親に愛されないと、おおむね以下のような性格になります。
〇グレる。
〇引きこもる。
〇恋愛依存症。
〇ひとを騙す。
〇無責任。
〇ギャンブル依存
〇すぐに他人の悪口を言う。
〇自信がなく、傷つきやすい。
〇なにをしても楽しくない。虚しい。
ざっとあげただけでもこのような弊害があります。
もちろん、これらすべてに当てはまるわけではありませんが、大体の場合、これらのいくつかに当てはまります。
なぜか?
それは、親から愛されなかったために心が不安になり、その不安を紛らわせようとするからです。
グレて大騒ぎするのも、引きこもって他人と合わないようにするのも、ギャンブルでストレスを発散させようとするのも、他人を攻撃するのも、すべて子供時代に植えつけられた『不安』が原因です。
そして、つねに心の底では愛情を求めているから恋愛依存症になったり、結婚しても他の女性と遊んでしまったりしてしまいます。
それでいて、結局、なにをしても満たされず、むなしい…という人生になりやすいです。
親からの愛情不足というのは、それぐらいに子供の一生に傷をつけてしまうのです。
改善方法は?
ではどのようにすれば改善できるのでしょうか?
ひとつは、
『カウンセラーに相談する』
というものがあります。
教育や子育てなど、専門のカウンセラーはたくさんいます。
自力での解決が無理だと思ったのならば、心の専門家であるカウンセラーに父親を診てもらうことも有効です。
父親のなかにある子供時代のトラウマを解決すれば、自然と子供への愛情が湧いてくることもあります。
次は、『夫婦で話し合うこと』です。
このままでは、子供の将来にとって良くないから、態度を改めて欲しいと夫にキチンと伝えましょう。
もしかしたら、そこで意識が改革され、親子関係が良好になるかもしれません。
最期は、離婚することです。
カウンセリングも受けず、夫に話しても何一つ解決しない場合は、離婚も視野にいれるべきです。
でなければ、子供は将来、地獄の苦しみを抱えたまま大人になります。
誰も愛せず、愛されず、ずっと不安を抱えたまま一生を過ごすことにもなりかねません。
そんなことになるぐらいならいっそ、父親と離れて母子で暮らしたほうがマシです。
たとえ生活が厳しくなり、極貧の生活になろうとも、親から冷たい仕打ちを受けながら生きるよりはずっとマシです。
私も両親が離婚し、愛情の薄い父親と別れて暮らすことになりましたが、寂しさはまったくありませんでした。
父親がいなくなった途端、心が伸び伸びしてきて、人生が充実してきたのをハッキリ覚えています。
両親がそろっていた方が子供にとって幸せ、などというのは、幻想でしかないのです。
愛情を注げない親ならば、子供にとっては『不必要な他人』でしかないのです。
まとめ
いかがでしたか?
『子供を愛せない父親の心理』
というお話をしてみました。
本編でも書いたとおり、愛情を注いでくれない親と一緒に暮らすのは、子供にとっては地獄です。
改善するか、離婚するか、子供の将来のことを一番に考えて、対策を練っていきましょう。
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