育児をめぐる夫婦のすれ違い|やっているのに伝わらないとき

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「育児にも家事にも関わっているのに、なぜか相手の不満が消えない」「自分ばかり負担している気がして、つらい」。どちらの立場でこの記事にたどりついた方も、しんどい思いをしているのだと思います。

育児をきっかけに夫婦の関係が苦しくなることは、めずらしくありません。けれど、それはどちらかが悪い人だから起きるのではなく、負担のかたちが見えにくいまま、二人の認識がずれていくから起きます。この記事では、そのずれがどこで生まれるのかと、立て直すための具体的な方法をまとめます。

「やっているのに不満を言われる」と感じたら

育児に関わっている人が、感謝ではなく不満を返されると、がっかりしますよね。「もう何をしても無駄だ」と感じてしまうこともあると思います。

このとき起きているのは、多くの場合、やった量の違いではなく、担っている責任の重さの違いです。同じ「子どもをお風呂に入れる」でも、言われてから動く人と、時間を逆算して準備し、着替えとタオルを用意しておく人とでは、頭を使っている量が違います。この差はお互いに見えません。だから、片方は「ちゃんとやっている」と思い、もう片方は「まだ足りない」と感じるのです。

ここから先は、そのずれが生まれやすい3つのポイントを見ていきます。責める材料としてではなく、二人で確認するための材料として読んでみてください。

すれ違いのもと1 手伝うと担うのちがい

「手伝う」という言葉は、その仕事の持ち主が相手にあることを意味します。言われたらやる、頼まれたら動く、という形です。

一方「担う」は、必要かどうかを自分で判断して、最後まで責任を持つことです。おむつの残りを把握して買い足す、予防接種の予定を管理する、保育園の持ち物を毎晩そろえる。こうした段取りの部分まで持つと、相手の頭の中の負担が実際に減ります

おすすめは、家事と育児を項目ごとに分け、「担当」を決めてしまうことです。「気づいた方がやる」という約束は、気づきやすい側にどんどん寄っていきます。担当制なら、やった・やらないの言い争いも減ります。

すれ違いのもと2 見えにくい家事・育児がたくさんある

負担がずれていることに気づくには、まず量を見えるようにするのがいちばんです。次のような、目に見えにくい仕事を書き出してみてください。

  • 日用品やおむつ、ミルクの残量を把握して買い足す
  • 子どもの通院や予防接種、健診の予定を管理する
  • 園や学校からのお知らせを読み、提出物を出す
  • サイズが変わった衣類や靴を買い替える
  • 子どもの体調が悪いときに、どちらが仕事を休むか調整する
  • 行事や持ち物の準備、ママ友・パパ友との連絡

紙やアプリに全部書き出し、いま誰がやっているかを二人で書き込むと、感情ではなく事実として量を見られます。「思っていたより偏っていた」と、はじめて気づくことも多いはずです。

すれ違いのもと3 ねぎらいの向きがずれてしまう

育児をがんばっている人が、認めてほしいと思うのは自然な気持ちです。誰だって、努力に気づいてもらえないのはつらいことです。

ただ、相手も同じくらい疲れているとき、「自分を認めてほしい」という気持ちが先に出ると、受け取る側は「こっちだって毎日やっている」と感じてしまいます。すると、お互いに認めてもらえないまま、距離だけが開いていきます。

効きやすいのは、先に相手をねぎらうことです。「今日も大変だったね」「あれ、やってくれて助かった」。順番を変えるだけで、返ってくる言葉が変わります。そして自分が疲れているときは、我慢するのではなく「今日は自分もしんどい」と、恨みごとにせずそのまま伝えてください。

すれ違いを減らす話し合いの進め方

感情が高ぶっているときの話し合いは、たいていうまくいきません。次のような形にすると、続けやすくなります。

  • 時間を決める。週に一度、15分だけ。子どもが寝たあとなど、静かな時間に
  • 人ではなく、予定表を見て話す。「あなたはやらない」ではなく「来週の火曜は誰が迎えに行くか」を決めます
  • 一度に一つだけ。過去の不満をまとめて出すと、責められたとしか受け取られません
  • 決まったことは書き残す。言った言わないを防げます
  • できなかった日は理由を共有する。責めるのではなく、無理のない分担に直す材料にします

また、どちらかが休める時間を意識してつくることも大切です。片方が数時間ひとりになれる日を、交代でつくってみてください。休みが取れると、相手にやさしくできる余裕が戻ってきます。

二人だけで解決できないときに頼れる先

話し合っても行き詰まるときや、疲れきってしまったときは、外の力を借りて大丈夫です。次のような支援が、多くの地域にあります。

  • 市区町村の子育て支援窓口(こども家庭センターなど)。困りごとの相談と、使える制度の案内をしてくれます
  • 保育所の一時預かりや、子育て短期支援(ショートステイ)。数時間から一晩、子どもを預けられます
  • ファミリー・サポート・センター。送り迎えや短時間の預かりを、地域の会員同士で助け合う仕組みです
  • 地域子育て支援拠点(子育てひろば)。無料で行けて、スタッフに相談もできます
  • 産後ケア事業。出産後の体調や育児の不安を、助産師などに相談できます
  • 自治体の家庭相談窓口や、夫婦問題を扱うカウンセリング。二人の関係そのものを相談できます

離婚を考える段階になった場合は、法テラスなどで法律相談を受けられます。そして、怒鳴られる、物を壊される、生活費を渡されないといったことがあるときは、話し合いの問題ではありません。配偶者暴力相談支援センターや警察の相談窓口に、早めに相談してください。

まとめ

育児をめぐるすれ違いは、どちらかが悪いから起きるのではなく、負担が見えないまま積み重なることで起きます。

手伝うから担うへ意識を移すこと、見えにくい仕事を書き出して分け直すこと、先に相手をねぎらうこと。この3つで、多くのすれ違いは小さくできます。それでも苦しいときは、自治体の子育て支援や一時預かりなど、外の手を遠慮なく使ってください。子育ては、二人だけで抱えるには大きすぎる仕事です。

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