『毒親』という言葉をご存知でしょうか?
簡単に言えば、『子供の人格に悪影響を与える毒のような親』という意味です。
最近、この毒親という言葉がにわかに注目されています。特に毒親に育てられている、または育てられたがゆえに心に傷を受け、辛い人生を生きているひとたちの間で毒親という言葉が頻繁に使われるようになってきました。
そこで今回は、毒親の特徴や子供への影響、そして、そんなクズな親から逃げる方法を紹介したいと思います!
目次
毒親の特徴1 子供への愛情が薄い
『子供を愛さない親なんていない』
『親は子供のためなら命も捨てられる』
『親の愛情の深さは親になってみれば分かる』
世の中にはそんなキレイ事がまかり通っています。
しかし、残念ながらそんなものは現実を無視した世迷言です。
世の中には子供を愛さない親なんてゴロゴロ存在しています。
考えてみれば当たり前のことです。
もしもすべての親が子供を愛しているのならば、この世に虐待などという痛ましい事件が起こるはずはありません。
こういったキレイ事は、親に愛されて育った人間が、大人になり親となったときに『自分はこんなに愛されたんだから』もしくは『こんなに子供を愛しているんだから』、『子供を愛さない親なんているはずがない』と、世間知らずに思い込んでいるだけなのです。
しかし、繰り返しますがそんなものは幻想でしかありません。
世の中には子供を愛さない親がごまんといるのです。
それこそが、毒親です。
子供への愛情が薄く、ときにはゼロに等しく、ただ戸籍上の親子でしかない赤の他人。子供を捨てたら社会的に罰せられるから仕方なく育てているだけにすぎず、暖かい親子の愛情なんてかけらもない。
そんな親がこの世には本当に存在しているのです。
そのことを、私たちはもっともっと認識しなくてはなりません。
毒親の特徴2 子供を支配しようとする
愛情がないわけではないが、子供を支配しようとする親も毒親です。
この手のタイプは子供が自分の思い通りにならないと怒り、子供を攻撃します。
ときには肉体的な直接攻撃に出ることもありますが、多くは言葉による暴力や叱責という名の罵倒によって精神的に子供を攻撃してきます。
『なんでお母さんの言うとおりにしないの!』
『父さんの言うことを聞いていればいいんだ!』
この手の毒親にとって子供は人間ではなく、自分の思い通りに動くだけのロボットです。
子供にも子供の人生があり、考えや価値観があることをまったく理解しようとしません。
それどころか、子供が自分の支配から逃れることを全力で阻止しようとしてきます。
子供が絵の勉強をしたいと言い出しても、『いいから父さんがすすめる有名大学に行け!』と子供の夢を切り捨てたりします。
また子供のころは、親が良いと言ったものに対して子供が良いと言わないと怒ったりします。『お母さんの手作りケーキ、おいしいでしょ?』と聞いて『うん!おいしい!』と言わなければとたんに不機嫌になり、怒ります。『あなたのために作ってあげたのに!』と子供を責め、自分の期待した通りに感想を返してくることを強制してきます。
特に母親にこのパターンが多く、幼少期をすぎても子供をまるでペットのように支配します。遊びに行けば『どこに誰と遊びに行ったのか』をしつこく聞き出し、隠し事をすることは絶対に許しません。
誰だって思春期になれば親に隠し事のひとつやふたつは出来るのが当然ですが、絶対にそれは認めません。『親に隠し事をするのは悪いこと』という妙な正義感を振りかざし、子供の精神の自由を奪い取ります。
本人は子供のため、暖かい家庭を維持するためなどととってつけたようなキレイ事を言いますが、本心は子供を支配したい、自分の管理下に置いておきたいという邪悪な欲求です。
もっと言ってしまえば、子供が自分に歯向かったり、自分の支配から逃げ出すことが許せないだけなのです。
『子供を支配し管理すること=愛情の表れ』
このような考えを持っている親は紛れもなく毒親であり、子供にとっての害悪です。
毒親の特徴3 愛情に見返りを求める
愛情に見返りを求める親も典型的な毒親です。
たとえば父親が子供たちを家族旅行に連れて行ったとします。
すると父親はそのことについての感謝や尊敬を子供たちに要求します。
そしてそれらが得られないと、一気に不機嫌になります。
『父さんが一生懸命に働いて旅行に連れてきてやったんだぞ!なんだその態度は!』
『父さんはお前たちのために一生懸命働いているんだぞ!』
『もっと父さんを尊敬しろ!』
親が子供のために働くのは当たり前のことです。感謝や尊敬の気持ちは自然と芽生えるものであり、強制されるものではありません。
しかし、この手の親はそのことが分かっていません。
『自分はこんなに子供たちのためにしてやっているのだから、感謝されて当然だ。尊敬されて当然だ』
と考えています。
なので、何かにつけて恩着せがましくなります。
あれをやってやった。これをやってやった。
お前たちのためにこんなに頑張っている。こんなに苦労している。
恩着せがましい親というのは、子供を健全に育てることが目的ではなく、自分が尊敬され感謝されることが目的になっています。なので、本当の意味で子供のためを思って行動することはありません。目的はどこまでいっても自分が尊敬されたいからであり、感謝されたいからです。
当然、このタイプの親も毒親です。
子供は欲しくもないプレゼントをもらって愛想笑いをしたり、楽しくもない家族旅行で楽しんでいるフリをすることを強制されるようになります。
結果、神経がすり減っていき、生きる気力がなくなっていきます。
愛情に見返りを求める毒親は、もしかしたら愛情がそもそもないのかもしれません。
しかしやっかいなことに、毒親自身は自分を家族思いの父親(母親)だと思い込んでいるケースが非常に多いのです。
だから、毒親なのです。
毒親の特徴4 常識がない
世の中にはどうしようもないほど非常識なひとがいます。
社会のルールを守れなかったり、他人に迷惑をかけても平然としていたりなど、目を疑うような非常識なひとが実際にたくさん存在しています。
では、そんな非常識な大人が自分の親だった場合、どうなるでしょうか?
当然、子供からみればその親は毒親となります。
子供でさえ分かるような常識も身につけておらず、世間に迷惑をかけ続ける毒親のせいで、子供もまた世間から白い目で見られたり、恥をかいたりします。
また、身近な人間が非常識だとその子供も常識を身に付けることが難しくなり、結果として子供も非常しきな大人に育つ危険性もあります。
子供は親を選べません。
立派な人格を身につけたひとが親だった場合もあれば、とんでもない非常識な人間が親だった場合もあります。
不幸にも後者を親にもって生まれた子供は、生涯に渡って毒親に苦しめられるのです。
毒親の特徴5 人間として未熟
精神的に幼稚であることも毒親の特徴です。
つまらないことで腹を立て、そのイラだちから子供に八つ当たりしたり他人とトラブルになったりします。
また、職業意識が低く、仕事を一生懸命がんばろうなどという考えもありません。
頭にあるのはアルバイトの延長のような、与えられた仕事をなんとなくこなせばいいという甘い考えです。
そのため給料が上がることもなく、低賃金の仕事にいつまでも甘んじているため、家庭は貧困化していきます。
毒親のいる家庭の多くが低所得なのは、親の精神が未熟であることが最大の原因です。
残念ながら人間の精神年齢というものは、肉体年齢のように年齢を重ねれば自動的に成熟していくわけではありません。他社との関わりや人生経験、知識を増やすことで精神は熟していきます。
つまり、自分を磨くこともなく、豊かな人生経験を積むこともなく大人になった人間は、肉体は大人でも精神は子供のままなのです。
このような親に育てられた場合、子供は貧困に苦しむだけでなく、自分よりも幼稚な大人のお守りをするように生活していかねばなりません。
親の機嫌を損ねないように常に気を遣い、親の顔色をうかがって生きていくのです。その結果、大人になっても他人に怯える人間になります。
子供への影響は?
それでは、このような毒親に育てられると子供はどうなってしまうのでしょうか?
結論から言えば、精神が健全に育たなくなります。
子供にとって、理想の両親は成熟し愛情あふれる大人であることです。優しく抱きしめてくれる母と、頼りになる父に守られ、愛されながら育つことで子供は健全に肉体も精神も育っていきます。
しかし毒親に育てられた場合、子供はどうしても不安や不満にさらされて生きることを余儀なくされます。愛情の薄い親や支配的な親、常識のない親や幼稚な親に育てられて、安心して生きられる子供はいません。
いつ怒られるか、いつ怒鳴られるか。つねにビクビクしながら子供時代を過ごします。
思春期になれば親に対して強い怒りや不満を抱きます。
しかしそれでいて、子供は親の元から逃げ出すことが出来ません。法律がそう決めてしまっているからです。その結果、子供は誰がどう見ても人間として問題のある親たちと同じ屋根の下で暮らし続けなければならなくなります。
その結果は、さきほども書いたように健全に精神が成長できなくなります。
人見知りや対人恐怖症、コミュ二ケーション障害、または過剰に傷つきやすかったり精神が未熟だったり…心に強い不安を抱えたまま育った結果、その子供は大きなハンデを抱えてしまうのです。
このような子供をアダルトチルドレンと呼びます。アダルトチルドレンは文字通り子供のような大人のことです。もしくは、大人になりきれなかった子供のことです。他人とのコミュ二ケーションが苦手だったり、常に強い不安を抱えていて心が不安定だったりします。いわゆる暗い性格というのはこのようにして生まれます。
アダルトチルドレンになってしまった大人は、普通のひとが普通に出来ることがなかなか出来ません。友達と遊びにいったり、恋人を作ったりすることが苦手になったりします。
またはいつもイライラしていたら、ビクビク怯えていたりと、精神的に不安定になります。
毒親に育てられるた子供は、このように人生に大きなハンデを背負わされるのです。
憎いクズ親から逃げる方法
では、このようなクズ親から逃げる方法はあるのでしょうか?
これは非常に難しい問題です。
なぜなら毒親というのは人間的には問題がありますが、かといって虐待のようなハッキリとした犯罪を行っているわけではないからです。
もちろん毒親に育てられている子供からしてみれば精神的な苦痛は計り知れないものがありますが、かといってそれだけで子供を親のもとから保護することは出来ません。
なにしろ、毒親の多くは自分が子供に毒を振りまいているなどとは夢にも思っていないからです。
それどころか、本気で子供を愛し、大切にしているとさえ思っているケースが多いのです。児童相談所が保護できるのはあくまでも肉体的な虐待や明らかな育児放棄が確認された場合ですので、ただ単に毒親であるというだけで施設に入れてもらうことは不可能です。
もちろん、すでに肉体的な虐待を受けている場合は各自治体の児童相談所や学校の先生などに相談すれば保護してもらうことが出来ます。
しかしそうでない場合は、物理的に毒親から逃げるのは家出をするぐらいしか方法はありありません。
毒親から精神的に逃げる方法
ではどうすれば良いのかというと、
『毒親から精神的に逃げる』
という方法をオススメします。
自分のダメ親を徹底的に軽蔑し、こんな人間にはならないと強く心に誓いながら、彼らのような大人にならないように前を向いて生きるのです。
夢や目標に向かって努力すればなお良いでしょう。
どんな人間からも学べるものはあります。たとえそれが最低の毒親であっても、反面教師という最高の見本にすることができます。
『このひとたちみたいに生きたら、こんな惨めな人生になるのか。なら、自分は絶対にこんな情けない生き方はしない』
そう心に刻み込んで、必死になって彼らと違う人生を生きるのです。
そうすることによって、ふたつの意味であなたは毒親の支配から抜けだすことが出来ます。
まず、毒親の人格を真っ向から否定することで彼らを格下だと認識することが出来るようになります。これによって、毒親と暮らす苦しみが多少なりとも軽減されます。人間は自分より大きなものに虐げられると強い恐怖や不満を感じますが、自分より下の存在に攻撃されてもそれほど不安は感じません。幼稚園児に失礼な態度をとられても『子供だしな』で済ませられるのと同じです。
もうひとつの理由は、『こんな人間にはならない』と心に決めて努力することで、将来あなたが本当にその毒親から離れることが出来るようになることです。毒親を『最低な人間の見本』と位置づけて、そうならないように努力し続ければ、あなたは間違いなく毒親とは違う人生を生きられます。もちろん、人間として内面も磨かれるので、精神的にも毒親から卒業できます。
ただ単に家出や一人暮らしをして毒親から逃げただけでは、一生彼らから受けた傷を抱えて生きなければいけませんが、この方法ならば自分が成長できるので、毒親からの呪縛もなくなります。
ある意味、これこそが本当の意味で毒親から逃げる方法だと思いませんか?
まとめ
いかがでしたか?
『毒親の特徴と毒親から逃げる方法』
というお話をしてみました。
なにを隠そう私自身も、毒親とは言わないまでも人間として未熟な両親に育てられたせいで苦しんだ人間ですので、毒親に育てられる苦しみは痛いほど分かります。
しかし、だからといって安易に家出をしたりすることは、どうしてもすすめられません。学校もまともに出ないで社会に出れば、あとあと苦しい目にあうのは分かりきっているからです。
ですので、ぜひ今回紹介した方法を使って真の意味で毒親から解放されてください!
それでは、また。
(なお、子供のころ問題のある親に育てられるとどのような悪影響があるのか、より詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧下さい!
『自分が嫌いでイライラする!原因は幼少期の親のせい?劣等感の克服法』)
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