この記事は、2つの方法でわかります
文字を読むのが苦手な人でも内容がわかるように、この記事の中身をそのままゲームにしました。好きなほうを選んでください。
ゲームで気になったところは、このあとの本文でくわしく解説しています。
親のことを考えると苦しくなる。家に帰るのがつらい。誰かに話しても「親なんだから」と言われてしまう。そんな思いを抱えて、この記事にたどりついたのかもしれません。
まず知っておいてほしいことがあります。親との関係がつらいと感じることは、わがままではありません。そして、そうなったのはあなたのせいではありません。この記事では、つらさにつながりやすい関わり方と、心に起きやすいこと、そして安全に距離を取るための具体的な方法と相談先をまとめます。
「毒親」という言葉が指しているもの
「毒親」は、子どもがつらくなるような関わり方をする親を指して使われる言葉です。もともとは海外の書籍から広まった言い方で、医学的な診断名ではありません。誰かを診断したり、人格を決めつけたりするための言葉ではないのです。
ですから、この記事では親を悪い人だと決めつける書き方はしません。大事なのは、「どんな親か」ではなく「どんな関わり方が、あなたを苦しめているか」を、事実として整理することです。そこがはっきりすると、自分を責めずに、次にできることを考えやすくなります。
また、親自身も苦しさを抱えていることがあります。ただし、その事情はあなたが我慢する理由にはなりません。親の背景を理解することと、あなたが自分を守ることは、別々に考えて大丈夫です。
つらさにつながりやすい親の関わり方
次のような関わり方は、子どもの心に強い負担をかけることが知られています。当てはまるものがあっても、あなたが弱いからではありません。
- 安心をくれない。気持ちを聞いてもらえない、話しかけても関心を持たれない、体調が悪くても気づいてもらえない
- 支配する。進路や友人関係、持ち物まで親が決め、違う意見を言うと怒る。隠しごとを一切許さない
- 否定する言葉をかける。「産まなければよかった」「お前は何をやってもだめだ」など、存在や気持ちを否定する
- 見返りを求める。してもらったことに対して、感謝や成績、進路の従順さを常に要求する
- 気分で態度が変わる。同じことをしても、日によってほめられたり怒鳴られたりする
- 役割が逆になる。親の愚痴の聞き役をさせられる、家事や下の子の世話を一手に任される
- 暴力がある。叩く、物を投げる、こわがらせる、生活に必要なものを与えない
このうち、暴力・暴言・ネグレクト(必要な世話をしない)は、虐待にあたります。これは家庭のしつけの範囲ではなく、あなたが守られるべき状況です。
子どもの心に起きやすいこと
安心できない環境で長く過ごすと、心と体にいろいろな反応が出ることがあります。よくあるものを挙げますが、これは決めつけではなく、あくまで起こりやすい例です。当てはまらない人もたくさんいますし、当てはまっても「壊れている」ということでは決してありません。
- 人の顔色を強く気にして、断ることが苦手になる
- まわりの出来事を自分のせいだと感じ、何かあるとまず自分を責める
- ほめられても素直に受け取れず、自信が持てない
- 眠れない、食欲が落ちる、体がだるいなど、体に不調が出る
- 怒りや悲しみが、急によみがえって苦しくなる
こうした反応は、つらい環境の中で自分を守るために身についた工夫でもあります。今の生活で必要がなくなれば、時間をかけて少しずつ変えていけます。一人で変えようとせず、後で紹介する相談先を使ってください。
安全がおびやかされているときは、すぐに助けを求めて
次のような状況にあるときは、話し合いや我慢よりも、まず離れることと助けを求めることが最優先です。
- 叩かれる、蹴られる、物を投げられるなど、体を傷つけられている
- 食事を与えられない、必要な受診をさせてもらえない
- 命に関わることを言われる、家から締め出される
- 性的な被害を受けている
その場から離れられるなら、まず安全な場所へ移動してください。危険が迫っているときは110番でかまいません。学校にいる時間なら、先生や保健室の先生に「家で怖いことがある」と伝えてください。あなたが誰かに話すことは、告げ口ではありません。守られるための正しい行動です。
距離を取るためにできること
命の危険がない場合でも、少しずつ距離を取ることはできます。年齢や状況によって、できることは変わります。
未成年の場合
- 学校の先生、養護教諭、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーに状況を話しておく。あとで動くときの大きな助けになります
- 図書館や児童館など、家の外で安心して過ごせる場所を持つ
- つらいことが起きた日付とできごとを、スマホや手帳に短く記録しておく
- 家出をひとりで決行するのではなく、児童相談所や自治体の窓口に相談する。状況によっては一時保護など、安全に離れる方法があります
大人になってからの場合
- 連絡の頻度や会う回数を、自分で決めてよいと知っておく
- 会う場所を実家ではなく外にする、時間を決めるなど、条件をつくる
- お金の貸し借りをしない。断る言葉をあらかじめ用意しておく
- 住民票の閲覧制限など、居場所を知られないための制度がある(市区町村の窓口で相談できます)
- 介護や同居を求められて困っているときは、地域包括支援センターや自治体の福祉窓口に相談する
距離の取り方に、正解はありません。完全に縁を切る人もいれば、年に数回だけ会う人もいます。「許さなければいけない」「親孝行しなければいけない」と自分を追い込む必要はありません。あなたが安心して暮らせる形を、あなたのペースで選んでよいのです。
相談できる場所
一人で抱えないでください。無料で相談できる場所があります。
- 学校の先生・養護教諭・スクールカウンセラー・スクールソーシャルワーカー。いちばん身近で、状況を知ってもらいやすい相手です
- 児童相談所。18歳未満の子どもについての相談窓口です。相談専用ダイヤルのほか、虐待に気づいたときの全国共通ダイヤルがあります
- 市区町村のこども家庭センター・子ども家庭支援の窓口。家庭の困りごと全般を相談できます
- 24時間子供SOSダイヤル。夜間や休日も、子どもと保護者が相談できます
- 子どもの人権110番(法務局)。人権を守る立場から相談を受け付けています
- チャイルドラインなどの民間の子ども向け相談。電話やチャットで話せます
- 精神保健福祉センター・保健所。大人になってからの心の相談ができます
- こころの健康相談統一ダイヤル。都道府県などの相談窓口につながります
- 法テラス。金銭要求や相続など、法律が関わる問題を相談できます
電話が苦手な場合は、チャットやメールで相談できる窓口もあります。うまく説明できなくても大丈夫です。「家のことでつらい」だけ伝われば、相手が聞いてくれます。
まとめ
親との関係でつらい思いをしているとき、それはあなたのせいではありません。「毒親」という言葉は診断名ではなく、あなたが今つらいという事実の方がずっと大事です。
暴力や、必要な世話をしてもらえない状況にあるなら、まず安全を確保して助けを求めてください。そうでない場合も、距離の取り方は自分で選べます。学校の先生やスクールカウンセラー、児童相談所、自治体の窓口、精神保健福祉センターなど、頼れる場所は必ずあります。あなたが安心して眠れる毎日を取り戻すことを、いちばんに考えてください。






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