『私、人見知りなんだよね』
『オレ、ちょっと対人恐怖症気味だからさ』
コミュニケーションが苦手な人のなかには、このように自分を、
『人見知り』
『対人恐怖症』
と認識している人が少なくありません。
でも、実はその2つはまったく違うものだということを知っていますか?
最近では、『他人とコミュニケーションを取るのが苦手=人見知り』とか、『対人恐怖症=人見知り』と思っているひとが多いようですが、それは実は間違いなのです。
そこで今回は、
『人見知りと対人恐怖症の違いは?チェック方法や改善方法も!』
というお話をしてみたいと思います。
人見知りの意味って?
まず最初に、人見知りの意味を確認してみましょう。
〇子供が知らない人間を見て、恥ずかしがったり怯えたりすること。
〇初対面の人間に対し、恥ずかしがったり嫌ったりすること。
どうでしょう?
人見知りというのはこのように、
『初対面の人に対して緊張する・怯える』
というのが、本来の意味なのです。
ですので、単純に他人とコミュニケーションを取ること全般が苦手な、いわゆる『コミュ障』とは違うのです。
ちなみに、先日あるテレビ番組で紹介されていたデータによると、
『日本人の約7割が人見知り』
だと、言われています。
もちろん程度の差はあるのでしょうが、少なくとも自分で自分を『人見知りだ』と思っているひとは過半数を超えているということです。
これは一説には、日本人は和を大切にする、つまり、『自分よりも相手を立てる』という文化があるため、『相手がどういうひとか分からない』という状況になると不安になりやすいから、と言われています。
そう考えると、私たち日本人は『人見知りになりやすい文化』なのかもしれませんね。
ですので、軽度の人見知りならばあまり気にすることはないのかもしれません。
また、初対面だけでなく『コミュニケーションそのものが苦手』という場合は、単純に他者とコミュニケーションを取った経験が低いことが原因である場合も多いです。
どちらにせよ、次に説明する『対人恐怖症』とは明確に違います。
対人恐怖症との違いは?
人見知り、特に軽度の人見知りは単なる性格や文化、コミュニケーション能力の違いにしか過ぎないとさきほど説明しましたが、この『対人恐怖症』はそうではありません。
対人恐怖症はれっきとした病気であり、治療が必要なものです。
対人恐怖症と人見知りの違いは、以下の2点と考えると分かりやすいです。
〇通常の社会生活を送ることさえ困難なほど、他人に怯えている。→対人恐怖症。
どうでしょうか?
ただ単に『コミュニケーションが苦手』というレベルを超えて、
『体に何らかの症状が出る』
『社会生活に支障がでている』
というレベルになると、それは人見知りではなく対人恐怖症、もしくは社会不安障害(社交不安障害)と呼ばれる『病気』の可能性が高いです。
これらは気の持ち用や個人的な努力だけではなかなか回復することが難しく、専門医の治療が必要になります。一節には脳の機能不全が原因となっていることもあるそうですので、薬を処方してもらう必要もあります。
対人恐怖症のチェック方法
『自分が人見知りなのか対人恐怖症なのか分からない』
という人は、以下のチェックシートを試してみてください。
〇飲み会など大勢の場が苦手
〇ビジュアルに自信がない
〇他人が自分の悪口を言ってる気がする
〇仲間ハズレにされてる気がする
〇相手に気を使う方だ
〇発表のとき頭が真っ白になる
〇誰かに監視されてる気がする
〇発表するとき手足が震える
〇人と食事するのは緊張する
〇上手く話せなかった時に後悔する
〇自分のにおいは臭いと思う
〇初対面の人と話すのを避ける
〇話しかけると冷や汗が出る
〇不安で胸が苦しくなる
〇自分の意見を人に言えない
〇人前で喋ってると顔が赤くなる
〇人の目をみて話せない
〇自分の本音を出せない
〇電話には極力でたくない
引用 http://xn--fdk7cd2e.com/social-phobia-check
これらの項目に14個以上当てはまると対人恐怖症の可能性があるそうです。
もちろんこれらはあくまでも目安でしかないので、数が少ないからといって必ずしも対人恐怖症ではない、とは言い切れません。
大事なのはやはり、先程も紹介した『身体的な症状が出る』、『社会生活に支障をきたしている』という二点です。
会社に行けない、学校に行けない、他人と話そうとすると足が震える、顔が赤くなる、声が出なくなる、視線が怖い…などなど、対人恐怖症や社交性障害と一口に言っても、その症状の表れ方は様々です。
逆に人見知りは、『なかなか他人と打ち解けられない』という程度の問題ですので、そこまで深刻な問題にはなりません。単に経験値不足の場合も多いので、あえて人と積極的に関わることで弱点を克服できる場合も多いです。
ちなみに、単なる人見知りと対人恐怖症の違いとしてもうひとつ、
『初対面の人間は苦手だけど、仲良くなった相手とはいくらでも話せる』
というものがあります。
言うまでもなく、この場合は単なる人見知りです。
対人恐怖症の場合は、付き合いの長い相手や親しい人間相手でも恐怖や不安を感じてしまいます。
改善方法は?
では、人見知りと対人恐怖症はどのように改善していけば良いのでしょうか?
まずは対人恐怖症ですが、こちらは先程も紹介したように、キチンとした専門医の治療を受けることが絶対に必要です。
自分で無理をして、
『治そう、他人を気にしないようにしよう!』
と、根性論で治そうとしても治るものではありません。心療内科での治療を受ける必要があります。
反対に人見知りの場合は、自分で治すことが可能です。
最もよいのは、自分は人見知りであるということを認識したうえで、『あえて初対面の人とコミュニケーションを取る練習をする』ということです。
たとえば、異業種交流会に参加する、接客の仕事に就く、などです。
実は、一流のセールスマンには、子供のころに極度の人見知りで苦しんでいた、というひとが少なくありません。
しかし、『人見知りを治したい!』と考え、あえて多くの人と接する仕事に就いたおかげで、『初対面の人とのコミュニケーション方法』を身に付け、結果的に普通のひとよりもコミュニケーション能力が高くなったというケースも多いです。
いきなりそこまではできなくても、自分にできる範囲で『あえて周囲とコミュニケーションを取る』という努力をすれば、かなりの程度で改善できます。
大事なのは、『人見知り=絶対に直らない欠点』のように、深刻に受け取りすぎないことです。深刻に受け取りすぎるとコンプレックスになってしまい、さらに自信をなくしてしまって余計にコミュニケーションが苦手になる…という悪循環におちいってしまいがちです。
『単なるコミュニケーションの経験値不足だから、これから練習すればいくらでも上達できる』ぐらいに考えて、経験を積む努力をして行くほうがはるかに建設的です。
ちなみに、人見知りを治すためのより具体的な方法についてはこちらの記事にまとめてありますので、ぜひ参考にしてみてください。
関連記事『人見知りを克服する方法!コミュ障の心理と原因を知れば改善できる!』
まとめ
いかがでしたか?
『人見知りの意味や対人恐怖症との違いは?チェック方法や改善方法も!』
というお話をしてみました。
本文で説明しましたが、日本人の7割は自分を人見知りだと思っています。
もしもあなたが軽度の人見知りならば、それは決して珍しいことではありません。
また、対人恐怖症の疑いがある場合は、すぐに専門医に診てもらう必要があります。
必要以上に抱え込みすぎず、ケースバイケースで、気楽に受け取るか専門家の治療を受けるのかを判断しましょう。
それでは、また。
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